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全社員がやるべきことを100%実行する!、、、その時、自社は儲かっているだろうか?

SPECIAL

年商10億事業構築コンサルタント

株式会社ワイズサービス・コンサルティング

代表取締役 

指導暦18年、これまでに200社以上の実務コンサルティング実績を持つ経営コンサルタント。「10億円事業構築」に強みを持ち、直近5年では、導入後数年で年商数億が10億越えをした企業は20社以上と驚くべき成果を出している。

セミナー後の相談会で、「社員」の課題が上がりました。
「お客様から依頼された書類の提出が遅い」
「現場から出される日報の記入がいい加減」
「事務所に掛かってきた電話の出かたが不愛想」 など、どれだけでも出てきます。

そこで矢田は、質問をさせて頂きました。
「それらすべての項目を、すべての社員が、その通りに完璧に実行することが出来た時には、御社は儲かっていますか?」


製造業や建設業など、いわゆる「モノづくり」には、品質があります。
近年では、この品質に対して求められるレベルは非常に高くなっています。
100円ショップで売っているものを見ると、明らかな不良品を見つけることはできません。
この品質の評価を決定する要素は、二つの品質によって成り立っています。

一つは、設計品質
その商品のコンセプトから、機能、スペックなどの設計段階で決まる品質です。
そして、もう一つは、製造品質となります。
これは、原材料や加工方法、金型の精度、作業者の腕などで決まります。

100円ショップで売っている庭の草木に水をやるジョウロ、
「グリップが心地良い」、「水を入れても重く感じない」、「蛇口から水を入れやすい」、「落としても壊れない」これらを予測し、考え設計する、そこにこそその会社が長年培ってきた技術が現れることになります。

そして、その設計されたジョウロを製造する、
自社工場で作るにしろ、外注に出すにしろ、金型を起こし、材料を仕入れ、その設計図通りに製造します。
バリも取られ、許容値に入らないモノは弾かれます。
それにより、狙い通りの品質で製造されます。
これら両方が揃ったところにこそ、「品質」が存在するのです。

昨今、このどちらが売上げに大きな影響を与えるかは、明白です。
それは、設計品質となります。モノづくりの世界では、製造品質は、多くの業界で過剰品質と呼べるレベルにあります。
そして、この製造品質だけを請け負っている会社は、当然儲かることはありません。

先の設計品質こそ、本当の意味での「モノづくり」であり、この設計品質を担う会社こそが大きく儲けることができます。
その会社をメーカーと呼びます。
この設計品質に関する技術こそが、その会社のコアであり、他社と差別化する最大の武器となります。
この設計品質が悪いと、いくら製造品質が良くても、儲かることはありません。
工場から良品として出荷されたジョウロも、実際に使われるときに、「水をやるために、傾けると手が痛い」、「水を入れた状態で落としたら割れた」、「日に当たり変色した」では、それは悪品になります。これらを予測し設計することこそが、技術なのです。
昨今のユーザーからのクレームの多くは、この設計品質に関するものばかりです。


この品質の考え方は、サービス業にも当てはまります。
サービスにも、品質があり、その出来は「設計品質」と「製造品質」で決まります。

例えば、フレンチレストランでの接客において、下記が「設計」の部分になります。
「支払いのカードやお釣りは、カルトン(皿)に載せ返す」、「カルトンは木製とする」と決めます。
これにより、店のコンセプト(高級感)を保つことができます。

そして、それをスタッフにその通りにやってもらう必要があります。
そのために、マニュアルを使いスタッフに説明し、実際にやってもらいます。
そして、その実施状況を確認し、それを全員が確実に出来る様にします。
決める過程が「設計品質」で、実行の過程が「製造品質」となります。

サービス業においても、設計品質と製造品質によって品質が決定します。
この品質によって、顧客を満足させ、儲けることができます。
そして、サービス業においても、どちらが重要になるかと言うと、やはり「設計品質」となります。
「設計品質」が悪いと、いくらスタッフを訓練し高い精度で「製造品質」を満たしても、儲かることはありません。
飲食店は、その店のコンセプトやターゲット、立地の段階で、儲けの多くが決まっているのです。高級店でありながら、お釣りは手渡し、や、カルトンがプラスチック製、ではいけません。


そのため、冒頭の「それらすべての項目を、すべての社員が、その通りに完璧に実行することが出来た時には、御社は、儲かっていますか?」という質問をさせていただきました。

社長が設計した通り100%の精度で、社員はそれを実行している、
「お客様から依頼された書類の提出が期日通り」
「現場から出される日報の記入は漏れなく期待通り」
「事務所に掛かってきた電話の出かたが愛想よく顧客の評判は高い」
その状態になっている時に、『自社は儲かっていますか?』、
この問いに自信を持って『YES』と答えられる必要があります。

現場に求められることは、あくまでも100%の実行です。
100%に近づけることが彼らの仕事です。
その時に、儲かっているかどうかは、経営や管理者側の責任となります。

決まったことをその通りにやれば成果が出る、その状態にするのが設計であり、仕組みなのです。
そのために、マニュアルや方針書により「設計」をすることになります。
そして、訓練や仕組みにより、スタッフが「実行」出来る様にします。

経営者は、いま現在自社の課題がどちらにあるかを適切に見極める必要があります。
設計品質が出来ていない、すなわち、マニュアルなどで決まっていないという状態なのか、それとも、決まっているが、それが現場で実行されていないのか。
前者であれば、設計のためにマニュアルや方針書の作成が第一となります。
後者であれば、訓練や管理の仕組みの構築が第一となります。

多くの中小企業では、前者のケースがほとんどです。そして、その対策として、「教育」という名の後者(実行)に力をいれて、疲弊しています。
また、後者の場合、事業モデルが良く、売上げの増加に比例して、クレームが多くなります。
まさに不良品の量産状態です。

サービスにも品質がある、そして、設計品質と製造品質いう概念が必要なのです。


その設計がされ、設計品質が出来た、
その設計品質が正しいかどうかを判別するためには、製造品質、すなわち、社員やスタッフの実行精度が必要になります。

社員やスタッフが、設計通り、社長の想い通りの動きを100%とは言わないが、70%でもやってくれないと、その判断は出来なくなります。
その状況まで持っていかないと、判断もできない、改善もできない、その先に打つべき手も見えてきません。

想像してみてください、
「すべての社員やスタッフが、やるべきこととやっていることが完全に一致している状況」をそれをただの理想として諦めるか、その理想に少しでも近づけるために取組むか、その選択を今迫られているのです。

サービスにも、品質がある。
その品質は、社長の「設計」と社員の「実行」により存在しえるのです。

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