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加工メーカーの典型的な失敗パターンとは?

SPECIAL

商品開発コンサルタント

株式会社シンプルテックプラン

代表取締役 

商品開発コンサルタント。特に開発部門を持たずに売れる商品開発を実現する、独自の「デベロップレス」体制づくりに定評。いま全国の中小メーカー企業の業績躍進の新手法として、多くの企業から指導依頼が集まる注目のコンサルタント。

「すごい技術を導入したんですよ。今度、是非、見に来てください。」

加工メーカーの方からよくかけて頂く言葉です。
よくよくお話を聞くと、まずは設備を導入した、ということがよくあります。
新しい設備を導入し、今までできなかった加工ができるようになったので、加工したいものはありませんか?まずはテストしましょう。と客先に声をかけて回っているとのこと。

結論から申し上げますと、これは、典型的な失敗パターン。

予め、その設備で加工する製品が明確に想定できており、さらには、その製品のニーズをはっきりつかんでいる場合は問題ありませんが、設備を入れてから使い道を探して開発に取り組む、というのは、失敗の確率が極めて高い行為です。

いきなり設備を入れると、その設備を使えるようにする技術開発と、その設備の使い道を探すニーズ探索を同時にやらなければなりません。
一生懸命、設備の加工精度を上げるべく技術開発していたら、実は、「精度はそこそこでいいから加工できる材料を増やしてほしい」とお客さんは思っていた、なんてことになりかねません。
さすがに、こんな単純な方向違いは無いかもしれませんが、本質的に同じことは、頻繁に起こっています。

そして、もう一つ、絶対に頭に入れておいてほしいのは、「新しい加工技術を製品化するためには、必ず製品自体の開発も必要になる」ということです。

製品を変えずに加工だけを変えて効果が出せるケースは少なく、たとえ出来たとしても効果は非常に小さくなります。
「新しい加工技術が出来たら大手から製品を受注できる」と考えるのは、「その加工技術を使うために大手が自ら製品開発をしてくれる」と考えるのと同じことです。
残念ながら、そんな余裕は、大手にはありません。

一生懸命、技術を作りこむものの、受注につながらずに途方に暮れる。損益無視で安い価格で従来の設備でできる加工を受注しても赤字ばかりが増えていく。困り果てて「何か使えませんか?」と相談されるケースが多くあります。
相談されたときは、まずは、その設備の本質的な利点を調べて・・・と、受注につなげるための開発の支援をさせて頂いています。

ただ、本来は、いきなり設備を入れるのは、避けるべき行為です。
設備を入れた後の相談より入れる前の相談の方が、余計な時間と投資を省き、より早く製品化に結び付けることができます。

あなたが導入する設備は、用途が明確ですか?
何か使えるかも?と設備を入れる場合は、最初から実験機と割り切る「余裕」が必要です。

 

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