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組織は腐る様にできています。社員20名から始まります。そして、それを助長する施策が!

  年商10億事業構築 矢田祐二 SPECIAL
矢田祐二 SPECIAL

年商10億事業構築コンサルタント

株式会社ワイズサービス・コンサルティング 代表取締役 矢田祐二

指導暦18年、これまでに200社以上の実務コンサルティング実績を持つ経営コンサルタント。「10億円事業構築」に強みを持ち、直近5年では、導入後数年で年商数億が10億越えをした企業は20社以上と驚くべき成果を出している。

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28歳のA君は、大手メーカーを辞め、地方の部品メーカーS社に転職をしました。
地元に戻ること、そして、もっと先進的な技術が学びたいという希望がありました。正直言えば、「大企業」に疲れたとも言えます。

転職サイトでS社を見つけました。挑戦的でありながらも、和気藹々とした職場の雰囲気が伝わってきます。社員数50名もよい規模に思えます。

会社訪問に行くと、驚くことに、社長自らの対応が待っていました。
年齢は50歳前後。目に力があり、落ち着いています。そして、大きなビジョンの話があり、「力を貸してほしい。」と言われました。

この会社なら自分を活かせると思い、A君はS社への転職を決めました。
そんなA君も、入社から半年で完全に生気を失うことになります。


A君は、希望通りの開発部に配属されました。
開発部は、お客様から寄せられる沢山の要望や問い合わせの中から、商品化するための企画・設計・生産立上げまでを担当する部門です。

希望に溢れたA君を待っていたのは、次のような状況でした。

1.付き合い残業で毎日夜遅く
定時は17時30分、面接の時には、残業は月20時間ほどと聞いていました。
実際は、毎日早くても21時すぎです。夕方から自分のPCでゲームをやっている部長が帰り、それから、他の社員も続きます。
どの社員も、昼は手を抜き、夜の残業に控えているように見えます。
この状況を誰も注意しません。

2.開発会議では、誰も発言しません。
月2回のこの会議は、社長も参加します。そして、檄を飛ばします。「この開発部が当社の強みであり、会社を飛躍させる要である」。
しかし、具体的な方針もなければ、次の行動計画もありません。社長が勢いでしゃべり、「解ったな、よろしく。」と言って解散となります。何が決まったのか良く解りません。
誰からも、意見や質問が出ません。会議中、専務、部長、課長も全員が下を向いています。この会議に15名が参加しています。この大人数もどうかと思います。
そして、社内には会議やプロジェクトが多いのです。

3.精神的な取組みが多い
朝礼では、経営理念の唱和があります。皆、大きな声を出しています。A君も「何に効果があるのか?」と思いながらも同じように行います。

社員全員が受ける研修が毎月1回あります。人間性ややる気、コミュニケーションに関するテーマを設け、ディスカッションを行います。
また、誕生日制度(社長、社員)があり、その日には「サプライズ」があります。お礼を書いたカードを贈り合う制度もあります。
これらは、どれも大企業では聞いたことがない取組みばかりです。最初は新鮮でした。しかし、それが上辺だけであることに気づきました。

A君は、実際に働きだして解りました。

挑戦的なフレーズが、経営計画書やホームページに載っています。しかし、それらはスローガンです。実際には、具体的な事業戦略や方針は何もありません。行動計画もありません。

家族的な雰囲気は、上辺だけです。どちらかというと、超ドライです。
上辺だけの愛社精神、上辺だけの人間関係、薄っぺらいコミュニケーションが社内には散在しています。全員が、馬鹿馬鹿しいと思いながらやっている状態です。

当然、業績は良くありません。お客様のクレームも多くあります。それに対し、根本的な対策はされず、何度も同じ問題が起きます。そして、そのたびに精神的な訓示や研修が与えられます。

A君は、思いました。大手企業も辛かったが、中小企業も辛いものだと。その1年後に会社を辞め、自分で会社を起こしたのです。

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A君が昔勤めた大企業にも組織病が蔓延していました。それに疲れ、会社を辞めました。そして、このS社でも、組織病です。大企業のそれとは大きく違いますが、組織ゆえの病と言えます。

組織病を定義すると、次になります。
「組織が、外よりも内を視るようになること」
外、すなわち、お客様です。他には、テクノロジーや法律の変化です。または、競合他社のことです。

間違いなく、この『外』こそが、企業にとって一番の関心ごとです。
お客様の変化に付いていけなければ、売上げは下がります。また、絶えず生まれるテクノロジーをどう自社に、どのタイミングで導入するのか。また、競合と比較をされ、負ければシェアを奪われていきます。
企業にとって『外』こそがすべてです。『外』こそが、生命線となります。

しかし、この『外』よりも、『内』の活動を重視してしまうことが多々起きます。
「外」のことを忘れ、「内」の事に熱心になるのです。その状態を、組織病と言います。

本来の企業の役目、自分たちの存在意義を忘れ、内に走った会社は「組織病」なのです。
その結果、多くの会社が倒産をしています。会社が悪く成る時には、必ず会社は「内向き」になっているのです。不思議なことに、この時、その当人である経営者達は、自分達が「内向き」になっているとの自覚は無いのです。


組織は、この「組織病」になるようにできています。それは、組織化をすすめる目的である「分業」と「仕組化」を考えれば瞭然です。

「分業」とは、「自分の業務に専念させる」ことです。そのため、「部門間の関係の悪化」や「お客様と接する機会が無い部門がある。お客様を軽視する」、「自部門の強い権利主張」は必ず起きるのです。
また、
「仕組み」とは、「業務を安定させる」ことです。そのため、「現状維持が大好き」、「意思決定の遅れ」、「新しい意見や若者を潰す」風土が生まれてきます。

この組織病は、ある規模を超えると急激に「発症リスク」を高めることになります。その規模の目安が、20名です。

多くの方からは、そんな小さなうちからですか、という感想が返ってきます。組織らしきものができると、すぐにその芽はでてきます。
そして、その兆候が現れ始めます。それは、「ある一部の人間関係の悪化」や「若手社員の離脱」という形で現れ始めます。

この段階で、その問題の本質を見抜けることはありません。その結果、その上辺だけを見て対策が取られることになります。それが、社員研修やコミュニケーションの機会を増やすことです。まさにS社がやっていたことです。
それによって、改善されることはありません。それどころか、それらの「内向き」な取組みが、さらに組織を「内向き」にしていきます。

この時にやらなければならないことは、当然「外向き」な取組みとなります。
・事業設計書で、自分たちの存在意義を明確に定義します。(口はダメ、文字で)
・具体的な目標(新たな取組み、業務の改善)を持ち、PDCAを着実に回す。
・上記を達成するために、社員と本気で議論すること。(上記があることで、初めて本気の議論が成立する)

これらは、やはり、事業と事業経営の原則と言えるものばかりになります。
「外」にしか事業は存在しないわけですから、それは当然なのです。

社長が、お客様や市場のことを考え、行動する。そして、事業を良くすると宣言し、そのための努力を繰り返す。これしかありません。
社長が、社員や内部に向かえば、たちまち組織は内向きになります。

社長が、どこを見ているかが、組織病を抑えるのか、助長するのかを分けます。
それは、大手企業でも中小企業でも、同じなのです。

いま当社は内向きになっていないだろうか。
いま自分は社員に「内よりも外を重視する」メッセージを発信できているだろうか。
すこしオーバーなぐらいで丁度よいのです。
絶えず、それを気にかける必要があります。

 

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年商10億円への経営視点
矢田祐二

年商10億事業構築コンサルタント

株式会社ワイズサービス・コンサルティング代表取締役

矢田祐二

執筆者のWebサイトはこちら http://www.yssc.jp/

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