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待ちから攻めへ経営をシフトする

SPECIAL

親子経営コンサルタント

ビジネス・イノベーション・サービス株式会社

代表取締役 

オーナー社長と後継者のための、「親子経営」を指導するコンサルタント。みずから100億円企業を築くも、同族企業ならではの難しさや舵取りの大変さで苦しんだ実体験を指導。親から子へ失敗しない経営継承の極意として「親子経営」を伝授する。

10年以上前、東京で飲食店を2店舗経営したことがある。本業は建設資材販売なのでまるで畑違いだ。たまたま神戸で知り合った飲食店経営者が関西で数店舗経営しておりフランチャイズ事業を始めたばかりだった。いずれ関東にも進出したいと話していた。そんなとき東京でホテルの飲食部門で働く同郷の後輩と出会うことになる。
 
彼は私が定宿にしていたホテルのレストランでフロアマネジャーをしていた。私が食事に行くとよく話をしたものだ。そんな彼がそのホテルを近々辞めると言う。それなら私と一緒に新しく飲食店経営をしないかと誘った。神戸の飲食店経営会社のフランチャイズ店として始める計画だと話した。
 
それからあれよあれよという間に話が進んだ。グループ会社のひとつとして新たに飲食業を主とする新会社を設立。同郷の後輩の彼を専務取締役として招き入れ、彼にマネジメントを任せることにした。1店舗目を三軒茶屋の商店街に出すと同時に2店舗目を探していた。出店当初は珍しさもあり上々のスタートを切った。
 
開店1か月が過ぎると客足が少なくなった。そんななか2店舗目の計画がスタートしていた。今度は立川にある百貨店の飲食店フロアーに出店することにした。こちらも開店早々は客が並んで待つほどの賑わいであった。手伝いに来てくれていたフランチャイズ本部の経営者もこれはひょっとすると大化けするかもと期待を寄せていた。


 
結果はどちらの店舗も売り上げが低迷することになる。三軒茶屋の店舗は常連ができることになるが黒字になる手前で売り上げが低いところで固定してしまう。立川の店舗は百貨店ということで土日の売り上げは多いが平日がまるで客が入らないことになる。専務が客入れ策をいろいろ打つが一向に客足が増えない。
 
店舗ビジネスの難しさを思い知らされることになった。特に飲食店が一度落とした客足を増やすことの難しさはやってみないと分からない。ましてオーナーの私が飲食業の経験がなく素人であったからなおさらのことだ。そもそも両店とも店舗設備に金を掛け過ぎていた。飲食のプロ経営者なら絶対やらないことを数々やっていた。当然の結果として三軒茶屋店を4年、立川店を2年で閉めることになった。
 
1月に入り1都3県に再び緊急非常事態宣言を出された。13日には大阪、京都、兵庫にも出されるという。飲食店のさらなる苦境はもちろんのこと、すべての店舗ビジネスにも大きな影響を与えることになる。普段でも店舗に客を入れることに苦労しているのに強制的に客足を止められてしまうのだから如何ともしがたい。
 
飲食店経営者は持ち帰り商品を増やしたりデリバリーを始めたりと創意工夫をしている。他の店舗でもネット販売を始めたり、店舗をサテライトとし外商にシフトしたりと生き残るため懸命になっている。店舗ビジネスは待ちのビジネスだというイメージを払しょくし積極的に外に打って出ようとしている経営者が多くなっている。
 
どのようなビジネスでも営業が必要ないということは無い。これは私のコンサルタントとしての師である五藤万晶氏(株式会社ドラゴンコンサルティング代表)が常に我々コンサルタントに言われることでもある。経営コンサルタントになると営業は要らないと思っているのでないかと常に叱咤される。
 
同じように飲食などの店舗ビジネスをやり始めると飲食店に営業は必要ないと思っている経営者がいる。特に飲食店の場合、旨ければ客は自然とやってくる。そこそこ旨くて安ければ営業など必要ない。そう考えている経営者がいるのではないだろうか。他の店舗ビジネスでもいい商品を並べておれば自然と客が買いに来る。そう思ってはいないだろうか。
 
もしそういう経営者がいるなら、この度の苦境を機に考え改めて欲しい。ここでいう営業とは単に売りに行くということでなく、売るための仕掛け、売るための仕組みなどという意味だ。マーケティングと言ってもいいだろう。店舗に客を集めるためのありとあらゆる手立てを考えるということだ。待ちの経営から攻めの経営へと是非シフトして欲しい。

 

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