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社会の歪みに潜むニーズを見極めて、それを利用する

SPECIAL

環境戦略コンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

環境戦略アドバイザー。数々の多国間環境条約や、国連が提唱する2030年のための持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)を参照しながら、サーキュラーエコノミーなど企業として取るべき環境戦略や、環境対策を通じた長期収益構造の改善などをアドバイスしている。

社会が変化すると、その変化に伴ってさまざまな歪みが生まれます。たとえばコロナ禍の前ではほとんど需要がなかったはずのアクリル板は、今や店舗の必需品となりました。店舗設計業界や什器備品業界のウェブサイトにもアクリル板のカタログが、あたかもずっと昔から載っていたかのように掲載されています。実際に多数のアクリル板が設置された店に入るたび邪魔だと感じてしまうこと、そんな例を想像いただければと思います。アクリル板はつけなければいけない、でも邪魔は嫌。

高齢者が増えて街にシルバーカーを押す姿が目立つと、それまで気にならなかった横断歩道と車道のごく小さな段差も気になりだす、あるいは子供の数が減り出すと、整備が進む保育園の将来が気になる、なんていうのも歪みの例に当たります。

それまでなかった社会の変化に伴って生じる歪みには、ある程度の痛みが伴っています。なにせそれまでなかった変化なので、歪みを不快に感じる人が多いだけ、解決へのニーズが高いと言えるのです。・・さあ、ここで出て来ましたね、「ニーズ」。今回のテーマですが、このアプローチのポイントは、変化したこととそうでないことの存在をそれぞれ正しく認識できるかどうか、そしてその違いをしっかりと把握できるかどうかにあるのです。

たとえばですが、世の中がサステナビリティを叫び出し、今やテレビが普通にSDGsを取り上げるようになった(変化)のに、一般大衆のSDGs認知度はせいぜい50%前後、何かを実施している企業の割合は15%程度という報告もあります(歪み)。だとすれば、歪みにフォーカスしたマーケティングは①あくまで一般大衆や企業に向け、訴求力のある提案を行う、②その中にそっとSDGsへの適合を忍ばせる、③売れたら「実は・・」と仕掛けを開示する、④メディアが振り向く、という仕組みであるべきなのです。

この順番は逆ではダメで、あるべき論を押し立てて一般大衆や企業に迫ったところで、感じている痛みを増幅するばかりの効果しかもたらしませんから、そっぽを向かれてしまうのがオチです。段差に対応してスムースに押せるシルバーカー、少子化でも円滑に運営できるような保育施設(多機能型)など、歪みを克服できる提案でマーケットを掘り起こす取り組みは、それなりに現実感のあるものだと思います。その時にちょっとだけ、社会の変化を理解していますよと言うシグナルを忍ばせておくこと。売れた後でそれを取り出して開示することで、ビジネスを一つの物語のように見せることができるのです。

物語に共感してくれる人たちがファンになり、ファンが少しずつ市場を広げる助けになってくれる。そんな取り組みを指向する経営者を、当社は全力で応援しています。

 

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