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意思決定の持つ重み

SPECIAL

環境戦略コンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

環境戦略アドバイザー。数々の多国間環境条約や、国連が提唱する2030年のための持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)を参照しながら、サーキュラーエコノミーなど企業として取るべき環境戦略や、環境対策を通じた長期収益構造の改善などをアドバイスしている。

コンサルティングの途上では、ときに支援先のスタッフ(経営者ではない)から、「これはどうすれば良いか」と言った意思決定に係るご相談を受けることがあります。コンサルティングの進め方に係るものであれば当方で判断して回答するようにしているのですが、どう考えても支援先で決めてもらわなくてはいけないようなことまで持ち込まれることも、現場では少なくありません。

本来持ち込まれるはずのない相談が私に届くということは、支援先に解決すべき課題があることを物語る、いわば他覚的な症状を呈しているのと同じです。スタッフに権限が委譲されていない、権限が明確でない、スタッフと経営者のコミュニケーションに問題がある、その他さまざまな原因が考えられますが、最終的には意思決定に係る話なので、事例に即して経営者が決めれば済む話、であることは全く論を待ちません。

ところが、意外にも「事情はそう簡単ではない」と言う事例が世の中にはたくさんあったりします。典型的な事例が、いわゆる事業承継や権限移譲の途上にあって指揮命令系統にバラツキが生じている場合です。先代の会長から若手社長へと、経営が移管されたはずなのに実際にはそうなっていない、あるいは分社化されて独立したはずの事業がいまだに本社決裁を仰がないと前に進まないなど、例を挙げればきりがありません。

段階的な変化が期日を決めて予定されているならまだ良い方で、それさえも決まっていないという場合もあったりします。経営者は、持ち込まれた意思決定に対応すればよいという割り切りがあるためなのか、意に介さない反応を示す人も少なくありません。しかしながら部下から言わせればこれは組織的に明らかな欠陥を抱えた状態と言うことができます。その状態を抱えたまま、組織を放置するとどういうことになるか。

行き着くところは、すべての意思決定に経営者の参与が求められるという恐ろしい社会が出来上がります。億円単位の投資案件から、鉛筆一本の注文に至るまで、というと大げさですが、そのくらいの細かさで経営者が現場に介入している例は、特に中小企業だと珍しくもなんともありません。

これは組織上明らかな不備です。仕組みをしっかり運営していれば、何ということもなくスタッフが決めて動けたはずのプロセスに、いつまでたっても経営者が参与する縛りをかけている。それさえ外せば経営者は会社の外の様子をしっかりと見ることができるようになります。そしてそれこそが経営者として目指すべき道なのです。なぜなら、全方位的に会社の周囲を見渡す視野は、全方位的に責任を持っている経営者にしか持てないものだからです。それこそが会社の危機管理上絶対に必要な視点で、社員に社外を観察させても、営業部長は営業部長の、経理課長は経理課長の目線でしかモノを見られない。それでは十分な視野を確保できているとはとても言えないのです。

意思決定の仕組みを常に最善の状態に保つこと。そうでなければ何時から何時までが移行経過期間なのかを内外にしっかりと示すこと。この期間は短いに越したことはありません。意思決定の仕組みをシンプルにして、社長が社外に目配りできる時間を確保しようとする取り組みを、当社はいつも全力で支援しています。

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