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冬の夜のわらしべ大根物語

SPECIAL

マインドポジション経営コンサルタント

株式会社アトリオン

代表取締役 

マインドポジション経営コンサルタント。社員と顧客の心に占める貴社の位置づけ―「マインドポジション」をアップし、業績向上を目指す仕組み構築のスペシャリスト。30年にわたる中小企業のブランディングと組織開発の経験を背景に、マインドポジション経営実践プログラムをオリジナル開発。時代に合わせて組織を刷新したい経営者や、2代目、3代目社長、社員の力を引き出して社内の体制を再構築したい経営者に高く評価されている。新しい切り口に基づく事業の見直しと組織の再開発を通して業績の2ケタ成長を実現するなど、持続可能な企業の成長に向けた力強い支援に定評。株式会社マインドポジション経営研究所代表取締役

先日、うちの旦那さまと夜のウォーキングをしていた時、ある家の玄関の前でゴソゴソ音がする。見てみると、そのお宅の奥様と思しき方が何やら手にして立っておられます。

誰にでも愛想がいいうちの旦那さまが「こんばんは」と声をかけると、奥様がこちらによってきて、丸々と育った丸大根をふたつ差し出してこられました。

自宅前の無人販売店で売っていた大根が売れ残ったらしく、処分に困って、たまたま通りがかった私たちに譲ることにしたらしい。「無農薬だから葉っぱまで食べられるよ」と解説付き。

ありがたくいただくと、その後の3キロ余りの道のりを、大きな大根をもって歩くことになりました。

「なんか、畑から盗んできたみたいだな」とつぶやく旦那さま。私のほうは、歩く道中で丸々太った丸大根がわらしべ長者よろしく、出会った人との交換、交換を通して、最後は金の延べ棒にでも変わるかもと妄想を膨らめる次第。

そして、久しぶりにキャリア論の中でよく出てくる「プランドハプンタンスセオリー」という理論を思い出しました。

プランドハプンタンスセオリーとは、日本語にすると「計画された偶発性理論」。

キャリアというのは偶然に大きく左右される。だから、自分のキャリア計画を強固に守るのではなく、その都度起こる偶然をうまく乗りこなしていくほうが、キャリアアップにつながるという意味。

そのためには、自分の軸というか方向性をだいたい持っているほうがいい。なぜなら偶然に適応しているだけだと、ただただ翻弄されてしまい、自分自身の強みを生かすとか、夢を実現するとかいう大切なことが損なわれてしまうから。

同じことが経営の世界でも言われています。経営者の方であれば、体感されていることだと思います。どんなに素晴らしい計画を作っても、絶対といっていいほどその通りにはいかない。だからその都度偶発的に起こる出来事を味方につけて、目指す方向に進んでいくほうが成功に近づきやすい、と。

そして多くの成功のストーリーもそのいきさつをたどってみると、偶然に起こった出来事をうまく乗りこなして、目指すゴールに向かっていたということがわかります。

さらに言えば、偶然の出来事も待っているだけではやってきません。こちらが動くから、反応があります。動く数が多ければ、反応も多く、量は質を凌駕するがごとく、金の延べ棒のような偶然も見つかる可能性が高まります。

さて、その丸大根ですが、ウォーキングの道すがら、誰からも声を掛けられることなく、立派な葉っぱをゆさゆささせながら、無事、自宅に到着。翌日の夜には、晩御飯のおかずに収まっていました。

ことは妄想ほどにはうまく進みません。ま、少なくとも私のコラムのネタにはなったということで一件落着。おあとがよろしいようで…。

 

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