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低い利益率を2倍にアップする!3つの簡単な方法

SPECIAL

銀行活用で新規開拓コンサルタント

株式会社結コンサルティング

代表取締役 

銀行活用で新規開拓の仕組みづくりを行うスペシャリスト。31年間の銀行員経験で、法人4,000社以上を担当、審査部担当者としての企業審査は1,000社超の実績を誇る金融のプロフェショナル。
売上が倍増した雑貨メーカー、バックメーカー、新事業を立ち上げた化粧品メーカー、更には海外進出に成功した事例など、累計で100社以上の会社を成功に導いた実績を持つ。

日々の経営において、売上は伸びているものの、利益が思うように上がらないという悩みを抱えている方は少なくないのではないでしょうか?
特に、経済の変動や市場の競争が激しい現代において、単に売上を伸ばすだけでは、企業の持続的な成長や安定した経営は難しいと言わざるを得ません。

営業利益率とは、売上に対する営業利益の割合を示す指標であり、この数字が高いほど、企業の収益性が高いと評価されます。しかし、多くの中小企業では、原材料費の上昇や人件費の増加、市場の変動など様々な外部要因により、営業利益率が低下しているのが現状です。

私自身も数多くの中小企業の経営者が、この営業利益率の低さに長らく悩んでこられたことを理解しています。しかし、ある時期から特定の戦略を取り入れることで、皆さまの会社の利益率を劇的に向上させることができました。今回のコラムでは、その具体的な方法と、私が実際に経験した成功事例を共有させていただきます。

経営においては、売上だけでなく、どれだけの営業利益を確保できるかが重要です。このコラムを通じて、皆様の経営の参考となる情報を提供できれば幸いです。

1. 営業利益率の一般的な水準

営業利益率は、企業の主要な業務活動から得られる収益性を示す重要な指標です。この指標は、売上高に対する営業利益の割合を示し、企業の基本的な業務遂行能力や競争力を評価する際の基準となります。

1.1 営業利益率の計算方法

営業利益率は、以下の式で計算されます。

営業利益率=(営業利益÷売上高)×100

ここで、営業利益は売上高から事業活動に関連する経費(人件費、原材料費、広告費など)を差し引いたものです。計算結果を100倍することで、営業利益率がパーセンテージで表現されます。

1.2 営業利益率の一般的な水準

営業利益率は、売上高のうち営業利益が占める割合を示す指標です。以下は、中小企業庁の中小企業実態基本調査の令和3年度(令和2年度)決算実績に基づき作成された業種別の営業利益率の平均値です。

  • 産業別: 令和3年度(令和2年度)
  • 建築業: 4.45%(4.02%)
  • 製造業: 3.97%(2.69%)
  • 情報通信業: 6.74%(4.75%)
  • 運輸業・郵便業: 0.87%(▲0.24%)
  • 卸売業: 2.01%(1.66%)
  • 小売業: 1.85%(1.58%)
  • 不動産業・物品賃貸業: 9.62%(9.35%)
  • 学術研究、専門・技術サービス業: 12.67%(10.03%)
  • 宿泊業・飲食サービス業: ▲0.17%(▲1.83%)
  • 生活関連サービス業・娯楽業: 2.08%(▲0.31%)
  • サービス業(その他): 4.12%(3.82%)
  • 全産業平均: 3.58%(2.78%)

特に注目すべきは、宿泊業・飲食サービス業が昨年に引き続きコロナ禍の影響でマイナスになっていますが、運輸業・郵便業と生活関連サービス業・娯楽業が昨年のマイナスから黒字に転化している点です。運輸業・郵便業はコロナ禍だけでなく、燃料高騰の影響でかろうじてプラスになっていますが、通常時は1~5%程度です。

中小企業の営業利益率の一般的な水準は、業界や地域、経済状況によって大きく変動します。全国平均での中小企業の営業利益率は2021年度ベースで3.58%でした。しかし、これはあくまで平均値であり、業界によっては2〜3%の場合や、10%以上の場合も存在します。

また、営業利益率の水準は、企業の規模や業態、取り扱う商品やサービスの種類によっても異なります。例えば、製造業では原材料費や設備投資が大きく、営業利益率が低めになる傾向があります。一方、情報サービス業やコンサルティング業などの知的サービス業は、物的なコストが少ないため、営業利益率が高めになることが多いです。

このように、営業利益率の一般的な水準を知ることは、自社の収益性を正確に評価し、適切な経営判断を下すための第一歩となります。自社の業界や従業者規模別の平均的な営業利益率を参考に、今後の経営方針や戦略を考える際の指標として活用してください。

1.3 目標営業利益率の重要性

目標営業利益率の設定は、企業経営において非常に重要な役割を果たします。以下に、目標営業利益率の重要性について説明します。

①目標設定の指針

目標営業利益率は、企業が将来の収益性を計画し、戦略を策定する際の指針となります。

  • 方向性の提供: 目標営業利益率は、経営陣やスタッフに対して、どの程度の収益性が求められるかを明確に伝えます。これにより、チーム全体が共通の目標に向かって協力できます。
  • 戦略の策定: 目標営業利益率は、企業の戦略策定に重要な影響を与えます。収益目標を達成するためには、コスト管理、価格設定、市場戦略など、適切な戦略の選択と実行が必要です。

②資本調達の支援

目標営業利益率は、投資家や金融機関から資本を調達する際にも重要な役割を果たします。

  • 投資家の信頼: 高い目標営業利益率は、投資家に対して企業の収益性と成長潜在性を示す強力な信号となります。これにより、投資家は企業に対する信頼を高め、資本提供に前向きになります。
  • 融資条件の改善: 金融機関は、収益性が高く、信頼性のある企業に対して有利な融資条件を提供します。目標営業利益率の設定は、融資条件の改善につながります。

③経営の効果的な評価

目標営業利益率は、経営の効果的な評価とモニタリングに不可欠です。

  • 経営のベンチマーク: 目標営業利益率は、企業の実績と比較して経営のベンチマークとして使用できます。実績が目標に達していない場合、問題の特定と対策の立案が容易になります。
  • リアルタイムのモニタリング: 目標営業利益率は、経営の健全性をリアルタイムでモニタリングするために使用されます。不正確な予測や計画は、早期に発見し、対策を講じるための手助けとなります。

目標営業利益率の設定は、企業の成功において不可欠なステップであり、経営陣や投資家、金融機関、従業員に対する明確な指針となります。適切な目標を設定し、それに向かって効果的に取り組むことは、持続可能な成長と収益性の向上に不可欠です。

2. 営業利益率の低い原因

営業利益率は、企業の収益性を示す重要な指標の一つです。売上高に対する営業利益の割合を示すこの指標が低い場合、企業の収益性に問題があることを示唆しています。以下は、営業利益率が低下する主な原因を解説します。

2.1. 原材料費の高騰

原材料費の高騰は、多くの企業にとって利益率を低下させる主要な要因の一つです。特定の原材料に依存している場合、その原材料の価格が上昇すると、製品のコストが増加します。これにより、利益率が低下する可能性があります。

原因

  • 市場の需給バランス: 原材料の供給が減少し、需要が増加すると、価格が上昇します。例えば、天候の影響で農産物の収穫量が減少した場合や、特定の鉱山での鉱石の採掘が困難になった場合などです。
  • 為替の影響: 原材料を輸入している企業は、為替レートの変動によってコストが影響を受けることがあります。特に、自国の通貨が弱くなると、輸入原材料の価格が上昇します。
  • 政策や規制: 政府の政策や国際的な取り決め、関税の導入や増加なども原材料の価格に影響を与えることがあります。

影響

  • 製品価格の上昇: 原材料費が上昇すると、製品の生産コストも増加します。これを補うために、企業は製品の価格を上げることを検討することがあります。
  • 利益率の低下: 製品価格を上げずに原材料費の上昇を吸収すると、利益率が低下します。これは、企業の収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 生産量の調整: 原材料の価格が高騰すると、生産コストが増加するため、企業は生産量を減少させることを検討することがあります。

2.2. 人件費の増加

人件費の増加は、多くの企業が直面する経営課題の一つです。特に中小企業にとっては、利益率の低下の主要な要因となることがあります。労働市場の状況や経済状況により、人件費が増加することがあります。特に、賃金の上昇や社会保険料の増加などが影響します。

①人件費増加の背景

  • 人手不足: 人口減少や労働力の減少により、求人難となる場合があります。これにより、賃金を上げて人材を確保する必要が出てくることがあります。
  • 法的要因: 最低賃金の引き上げや労働時間の制限など、労働に関する法律や規制の変更が人件費の増加を招くことがあります。
  • スキルの必要性: 技術の進化や業界の変化に伴い、特定のスキルを持つ人材が求められる場合、その人材の賃金が高くなることがあります。

②人件費増加の影響

  • 利益率の低下: 人件費が増加すると、それが直接的に利益率の低下につながります。特に固定費としての人件費が増加すると、売上が一定の場合でも利益率は低下します。
  • 価格競争力の低下: コスト増加を価格転嫁せずに吸収すると、企業の価格競争力が低下する可能性があります。
  • 経営資源の偏重: 人材の確保や育成に多くの経営資源を投じることになり、他の投資機会を逸するリスクがあります。

2.3. 設備投資の増加

設備投資の増加は、企業の利益率に影響を与える要因の一つです。新しい設備や技術の導入による初期投資が大きい場合、短期的には営業利益率が低下する可能性があります。

初期コストの増加
設備投資を行う際には、新しい機械や技術の導入に伴う初期コストが発生します。この初期コストは、短期的には企業の利益を圧迫する可能性があります。

②減価償却費の増加
新しい設備の導入により、減価償却費が増加します。これは、固定資産の価値が経時的に減少することを会計上で反映するもので、利益計算において経費として計上されます。そのため、減価償却費の増加は利益率の低下を招く可能性があります。

③生産効率の向上を期待
設備投資の目的は、生産効率の向上や品質の向上など、中長期的な利益の増加を期待するものです。新しい設備の導入により、生産量が増加したり、製品の品質が向上したりすることで、売上の増加やコスト削減が期待されます。

④技術の変革と適応期間
新しい設備や技術の導入には、従業員の研修や適応期間が必要となる場合があります。この期間中は、生産効率が一時的に低下する可能性があり、それが利益率の低下につながることも考えられます。

⑤競争力の強化
設備投資を通じて最新の技術や機械を導入することで、競合他社との差別化や競争力の強化を図ることができます。これにより、中長期的には市場シェアの拡大や利益率の向上が期待されます。

総じて、設備投資の増加は短期的には利益率の低下を招く可能性がありますが、中長期的には企業の競争力を強化し、利益率の向上に寄与すると考えられます。企業は、設備投資のタイミングや規模を適切に判断し、将来の成長を見据えた経営判断を行うことが求められます。

2.4. 販売促進活動の増加

販売促進活動は、商品やサービスの売上を増加させるための様々な取り組みを指します。これには、広告、セールスプロモーション、イベント、特別価格、割引、クーポン、サンプル提供などが含まれます。これらの活動は、短期的には顧客の関心を引き付け、購買を促進する効果がありますが、同時に以下のようなコストやリスクも伴います。

①高いコスト

販売促進活動は、しばしば高額な費用がかかります。特に、大規模な広告キャンペーンやイベントは、企業の利益を圧迫する可能性があります。

②一時的な効果

促進活動は短期的な効果が主であり、活動が終了すると売上が元の水準に戻ることが多いです。

③価格の歪み

割引や特別価格を頻繁に提供すると、消費者は正規の価格での購入を避けるようになる可能性があります。これにより、企業の価格設定能力やブランド価値が低下するリスクがあります。

④利益率の低下

割引や特別価格は、直接的に商品の単価を下げるため、利益率が低下します。また、販売促進活動にかかるコストも利益を圧迫します。

⑤競合との競争

企業が販売促進活動を行うと、競合企業も同様の活動を開始する可能性があります。これにより、市場全体の利益率が低下するリスクがあります。

販売促進活動は、適切に実施されれば企業の成長をサポートする強力なツールとなりますが、過度に依存すると利益率の低下を招く可能性があります。そのため、戦略的に活動を計画し、コストと効果を常に評価することが重要です。

2.5. 競合との価格競争

競合との価格競争は、多くの企業が直面する課題の一つであり、その結果として利益率が低下することがよくあります。同業他社との価格競争に巻き込まれ、価格を下げざるを得ない状況が続くと、営業利益率は低下します。

市場の飽和

市場が飽和してくると、新規顧客を獲得するための競争が激化します。この結果、企業は価格を下げることで顧客を引きつけようとするため、利益率が低下する可能性が高まります。

商品の差別化の難しさ

商品やサービスが競合と大きく差別化できない場合、消費者は価格を主な選択基準として考えることが多くなります。その結果、価格競争が激化し、利益率が圧迫されることがあります。

生産コストの上昇

原材料の価格上昇や人件費の増加など、生産コストが上昇すると、そのコストを価格に転嫁することが難しくなります。特に競合が多い市場では、価格を上げることで市場シェアを失うリスクが高まるため、利益率が低下することが考えられます。

消費者の価格意識の高まり

インターネットの普及により、消費者は簡単に商品やサービスの価格を比較できるようになりました。このため、消費者の価格意識が高まり、企業は価格競争を避けることが難しくなっています。

短期的な売上目標の追求

一部の企業は、短期的な売上目標を追求するために価格を下げる戦略を取ることがあります。しかし、このような戦略は長期的には利益率の低下を招く可能性があります。

2.6. 生産効率の低下

生産効率の低下は、企業の利益率に大きな影響を及ぼす要因の一つです。設備の老朽化や作業の非効率化など、生産効率が低下すると、同じ量の商品やサービスを生産するのに必要なコストが増加し、結果として利益率が低下します。

①機械・設備の老朽化

  1. 機械や設備が古くなると、故障が頻発し、生産停止が発生する可能性が高まります。
  2. また、古い機械は新しい技術に比べて効率が悪いため、生産速度が遅くなることがあります。

②労働力の不足

  1. 労働者が不足すると、生産ラインが停止したり、オーバータイムが増加して労働コストが上昇することがあります。
  2. 経験やスキルが不足する労働者が増加すると、ミスや非効率な作業が増える可能性があります。

③原材料の品質低下

  1. 品質の低い原材料を使用すると、製品の不良率が上昇し、再生産や廃棄が必要になることがあります。

④生産プロセスの非効率

  1. 生産工程が複雑であったり、無駄が多いと、生産時間が長くなり、コストが増加します。
  2. 生産ラインのバランスが取れていないと、一部の工程での待機時間が発生し、全体の生産効率が低下します。

⑤技術の遅れ

  1. 最新の技術や方法を取り入れないままでいると、競合他社に比べて生産効率が低下する可能性があります。

生産効率の低下は、企業の競争力を損なうだけでなく、利益率の低下にも直結します。したがって、定期的な設備の点検・更新、労働力の教育・研修、生産プロセスの見直し、新技術の導入などを通じて、生産効率の向上を図ることが重要です。

2.7. 外部環境の変化

外部環境の変化は、企業の利益率に大きな影響を与える要因の一つです。為替の変動や経済の不況など、外部環境の変化により、企業の収益性が低下することがあります。

①経済の変動

  1. リセッションや経済の停滞期には、消費者の購買意欲が低下し、企業の売上が減少する可能性があります。
  2. 逆に、インフレーションが進行すると、原材料や労働コストが上昇し、利益率が圧迫されることがあります。

②競合との競争

  1. 新しい競合企業の参入や、既存の競合企業の戦略変更により、価格競争が激化することがあります。
  2. これにより、価格を下げざるを得なくなり、利益率が低下する可能性があります。

③規制や法律の変更

  1. 企業の事業活動に影響を与える新しい法律や規制が導入されることで、コストが増加する場合があります。
  2. 例えば、環境基準の厳格化により、新しい設備投資が必要になることが考えられます。

④技術の進化

  1. 新しい技術の導入により、古い技術や製品が陳腐化することがあります。
  2. これにより、新しい技術への投資が必要となり、一時的にコストが増加することが考えられます。

⑤国際的な要因

  1. 通貨の変動や国際的な紛争、貿易制限など、国際的な要因により、輸出入のコストやリスクが変動することがあります。
  2. これにより、国際的に事業を展開している企業の利益率に影響を与える可能性があります。

⑥自然災害や疫病の発生

  1. 地震、台風、洪水などの自然災害や、新型の疫病の発生により、供給網が一時的に寸断されることがあります。
  2. これにより、生産や販売が停滞し、利益率に影響を与える可能性があります。

これらの外部環境の変化は、企業の経営戦略や事業計画に大きな影響を与えるため、常に監視し、適切な対応策を講じることが求められます。

これらの原因を正確に把握し、適切な対策を講じることで、営業利益率の向上を目指すことが重要です。

3. 低い利益率を2倍にアップする!3つの簡単な方法

営業利益率は、企業の基本的な収益力を示す指標として非常に重要です。売上から営業活動に関連する費用を差し引いた利益(営業利益)を売上で割ることで計算されます。この指標が低いと、企業の収益性が低いことを示しています。以下は、営業利益率を2倍にアップするための3つの簡単な方法です。

3.1. コスト削減

コスト削減は、企業の利益率を向上させるための基本的かつ効果的な手法の一つです。以下に、コスト削減の詳細とその方法を説明します。

①コスト削減の重要性

  1. コスト削減は、企業の収益を直接的に向上させる手段として非常に効果的です。固定費や変動費を削減することで、同じ売上高でも利益が増加し、利益率が向上します。

②コスト削減の方法

  1. 原材料の見直し: 供給先との交渉や代替材料の検討を行い、原材料コストを削減する。
  2. 生産効率の向上: 生産ラインの最適化や無駄の排除を行い、生産コストを削減する。
  3. 業務効率化: ITツールの導入や業務フローの見直しを行い、業務にかかる時間やコストを削減する。
  4. 固定費の見直し:事務所の賃料や設備のリース料などの固定費を見直し、不要な支出を削減する。
  5. 外部委託の最適化: 必要な業務だけを外部委託し、その他の業務は内部で行うことで、委託費用を削減する。
  6. エネルギーコストの削減: 省エネルギー機器の導入や電力契約の見直しを行い、電気やガスなどのエネルギーコストを削減する。

③コスト削減の注意点

  1. 品質の低下を避ける: コスト削減の過程で商品やサービスの品質が低下しないように注意が必要です。品質の低下は、長期的には顧客の信頼を失い、売上減少につながる可能性があります。
  2. 従業員のモチベーション維持: コスト削減のための人員削減や給与カットは、従業員のモチベーション低下を招く可能性があります。そのため、従業員とのコミュニケーションを密に取りながら、バランス良くコスト削減を進めることが重要です。

コスト削減は、企業の利益率向上のための基本的な取り組みですが、その方法や範囲は企業ごとに異なります。企業の現状や目標に応じて、最適なコスト削減策を選択し、実施することが求められます。

3.2. 価格戦略の見直し

価格戦略の見直しは、企業の利益率を向上させるための重要な手段の一つです。適切な価格設定により、売上数はそのままに利益を増やすことが可能となります。

①価格戦略の重要性

  1. 価格は、顧客が商品やサービスを購入する際の最も重要な判断基準の一つです。そのため、価格設定は企業の収益性やブランドイメージに大きな影響を与えます。

②価格戦略の見直しの方法

  1. コストプラス法: 製品の製造コストやサービスの提供コストに一定の利益率を加えて価格を設定する方法。この方法はシンプルであり、確実に利益を確保することができます。
  2. 価値ベースの価格設定: 商品やサービスが顧客に提供する価値に基づいて価格を設定する方法。顧客がその価値に対して支払う意思がある金額を考慮して価格を決定します。高付加価値での高価格設定を是非とも目指してください。
  3. 競合ベースの価格設定: 競合他社の商品やサービスの価格を参考にして、自社の商品やサービスの価格を設定する方法。市場の平均価格や競合の価格戦略を考慮して価格を決定します。

③価格戦略の見直しのメリット

  1. 利益率の向上: 適切な価格設定により、売上高はそのままに利益を増やすことが可能となります。
  2. ブランドイメージの向上: 価格が商品やサービスの価値を反映している場合、ブランドの評価やイメージが向上します。
  3. 市場シェアの獲得: 競合との価格競争に勝つことで、市場シェアを獲得することができます。

価格戦略の見直しは、市場の動向や顧客のニーズ、競合の動きなどを常に監視し、適切なタイミングで行うことが重要です。継続的な価格戦略の見直しを行うことで、企業の競争力を高め、利益率を向上させることが期待できます。

3.3. 新しい収益源の開拓

新しい収益源の開拓は、企業の持続的な成長と利益率の向上のための鍵となる戦略です。市場の変化や競合の動向、技術の進化など、外部環境の変動に対応するためには、新しい収益源を見つけ出し、それを活用することが不可欠です。

①新しい収益源の開拓の意義

  1. 競争力の強化: 新しい収益源を開拓することで、競合との差別化を図り、市場での競争力を強化することができます。
  2. ビジネスリスクの分散: 複数の収益源を持つことで、一部のビジネスが低迷しても全体の業績に大きな影響を受けにくくなります。

②新しい収益源の開拓の方法

  1. 新商品・新サービスの開発: 既存の顧客ニーズを深堀りするか、新しい顧客層をターゲットにした商品やサービスを開発します。
  2. 新市場への進出: 地域や国を変えて、新しい市場に進出することで、新しい顧客層を獲得します。
  3. 関連ビジネスの展開: 既存のビジネスと関連性のある新しいビジネス領域に進出し、シナジー効果を生むことを目指します。

③新しい収益源の開拓のポイント

  1. 市場調査の徹底: 新しい収益源を開拓する前に、市場のニーズや競合の動向、市場の成長性などをしっかりと調査することが重要です。
  2. 継続的な投資: 新しい収益源の開拓は、一時的な取り組みではなく、継続的な投資と努力が必要です。
  3. フィードバックの活用: 新しい収益源を開拓した後も、顧客からのフィードバックを収集し、それをもとにサービスや商品の改善を行うことが必要です。

新しい収益源の開拓は、中長期的な視点での経営戦略として非常に重要です。小さくはじめて、大きく育てるために、継続的な取り組みと改善を行うことで、企業の競争力を高め、持続的な成長を実現することができます。

これらの方法を実践することで、営業利益率を向上させることができます。しかし、一つ一つの方法を実践する際には、現状の分析や計画の策定が必要です。具体的な数字や目標を設定し、定期的に進捗を確認することで、営業利益率の向上を実現してください。

4. 実際に利益率を2倍にアップするためのシミュレーション

営業利益率を2倍にするためのシミュレーションは、企業の収益性を向上させるための実践的な手法です。以下に、このシミュレーションのステップを説明します。

4.1. 現状の分析

  1. まず、現在の営業利益率を正確に把握することが重要です。これには、売上高、固定費、変動費などのデータが必要です。これらのデータを基に、現在の営業利益率を計算します。

4.2. 目標の設定

  1. 営業利益率を2倍にするための具体的な目標を設定します。例えば、現在の営業利益率が10%の場合、目標は20%となります。

4.3. コスト削減のシミュレーション

  1. 固定費や変動費を削減することで、営業利益率を向上させることができます。具体的なコスト削減のアイディアや方法をリストアップし、それぞれの影響をシミュレーションします。

4.4. 価格戦略の見直し

  1. 価格を上げることで、売上数はそのままに売上高を増やすことができます。しかし、価格を上げると販売量が減少する可能性もあるため、適切な価格設定が必要です。異なる価格設定での売上高と営業利益率の変動をシミュレーションします。

4.5. 新しい収益源の開拓

  1. 新しい商品やサービスを導入することで、売上高を増やすことができます。新しい収益源の導入に関するアイディアをリストアップし、それぞれの影響をシミュレーションします。

4.6. シミュレーションの結果の分析

  1. 上記のシミュレーションの結果をもとに、最も効果的な方法や組み合わせを選択します。これにより、営業利益率を2倍にするための具体的なアクションプランを策定します。

4.7. アクションプランの実行とモニタリング

  1. 策定したアクションプランを実行し、定期的に結果をモニタリングします。必要に応じてプランの修正や見直しを行い、目標の営業利益率を達成することを目指します。

このシミュレーションは、企業の現状や目標に応じてカスタマイズすることができます。継続的な取り組みと改善を行うことで、営業利益率を2倍にすることが可能となります。

5.まとめ

営業利益率は、企業の基本的な収益力を示す重要な指標の一つです。売上高に対する営業利益の割合を示すこの指標は、企業の経営効率や競争力を評価する上で非常に有用です。特に、あなたのような中小企業経営者にとって、営業利益率の向上は経営の安定や事業の拡大のために不可欠です。

今回紹介した3つの方法を実践することで、営業利益率の向上が期待できます。コスト削減により、不要な経費を減少させることで、営業利益を増加させることができます。また、価格戦略の見直しにより、商品やサービスの価値を正確に顧客に伝えることで、適切な価格設定が可能となります。さらに、新しい収益源の開拓は、既存の事業に依存しない新しい利益の柱を築くことができます。

あなたも経営者として、今回の方法を取り入れて、営業利益率の向上を目指してください。経営の安定と事業の拡大のための第一歩として、具体的な行動を起こしましょう。

あなたは経営者として、どのような方法を取り入れて、営業利益率の向上を目指しますか?

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