第50号:「良いこと」と「公共性」が資金を生むという都市伝説が悲劇を生む!

CSR経営という言葉を聞かれたことがありますか。
CSR経営とは、企業の社会的責任を重視した経営を称して言います。
私は、今まで、CSRという言葉に関する誤解が、
「善いこと」と「公共性」は“お金”を集めるという誤解を生み、
あまりに多くのオーナー経営者を破滅に陥らせてきた現実を目の当たりにしてきました。
CSRという言葉に関する誤解とは、一体、どのようなものでしょうか?
CSR活動に取り組んでいると称する企業が、
ホームページに掲載している実際の活動について、見てまいりましょう!
CSR活動に取り組んでいると称する企業の多くは、
寄付やボランティア活動、地域貢献活動などを自社のCSR活動として、
ホームページ等で打ち出しています。
ところで、寄付やボランティア活動、地域貢献活動は、
本当にCSRと言えるのでしょうか?
答えは、NOです。
CSR経営とは、寄付やボランティア、地域貢献活動といった“善い行い”に重点を置く経営を指すのではありません。
そうではなく、企業を永続的繁栄から遠ざけてしまう可能性のある経営上のリスクを排除することに重点を置く経営を指すのです。
例えば、自社が低コストでの商品提供を行い、
ある特定の市場において、大きなシェアを持っているとしましょう!
ところが、そうしたコスト構造を可能にしている主要因は、
劣悪な労働環境のもと働く労働者の存在があったとします。
そのことが、ネットで世界中に広がれば、その会社は、風評被害から一気に売上を落とすかもしれません。
企業活動の中で、社会のルールを逸脱した活動があれば、
社会から支持が得られず、その企業は、一気に売上を落とす可能性があります。
CSR経営とは、寄付やボランティア、地域貢献活動そのものを指すのではありません。
CSR経営の本質とは、
企業を永続的繁栄から遠ざけてしまう可能性のある経営リスクを排除することにあります。
そのために、企業活動を「社会的責任」という観点から常にモニタリングし、
企業が致命的な経営リスクを犯さないよう未然に防ぐ
――それこそが、CSR経営の本来の姿なのです。
だからこそ、CSR経営は、会社を永続的繁栄へと導くのです。
ところが、多くの企業が、CSRと称して自社のホームページで謳っている活動は、
寄付やボランティア活動、地域貢献活動といった「善いこと」なのです。
さらに、こうした企業の多くは、
よせば良いのに、自社のホームページの中で、
「善いこと」に対して、寄付まで募ったりしている場合すらあります。
そして、こうした企業は、「善いこと」にかまけた結果、
業績が上向かず、寄付も思うように集まらないという結果に至るのです。
すると、「自社の活動の善さが伝わっていないことが原因」
と自らを責め、自社の体力が消耗する方向へと、深みにハマっていくのです。
このような状況に陥ったオーナー社長が、
金融機関の紹介を通じて、私の元を訪れ、
資金ショートから再生を果たし、
コングロマリット構築のコンサルティングを受けられるのです。
企業であれば、「善いこと」以外にも収益の源泉がありますので、
なんとか再生を果たし、立ち直りやすいのですが、
非営利法人の場合には、こうしたCSRの誤りの結果、
出資も売上も思うように伸びず、短期間で破綻に至ります。
ある地域金融機関から紹介を受けた“地域スポーツチーム”のケースを御紹介します。
この地域スポーツチームは、まさに「善いことを行えば、お金が集まる」という思想のもと、
「スポンサー広告」「クラウドファンディング」等々を行い、
ありとあらゆる資金調達が失敗の連続となっておりました。
その団体は、あまりにも資金調達が上手くいかないので、
「地域の首長」「公的機関」「議員」等を役員にして、活動の公共性を高めることで、
資金調達が上手くいかせようとしていました。
ところが、こうした誤解の連続の結果、
その団体は、私が金融機関から紹介を受けた時には、
資金ショートを起こしておりました。
「自社の体力を削った企業や非営利法人に共通する“善いことを行えば、お金が集まる”という都市伝説」
「“活動の公共性を高めれば、お金が集まる”という都市伝説」
こうした都市伝説による誤った資金調達が引き起こす資金破綻は後を絶ちません。
そもそも、こんな都市伝説が通用するのであれば、
「世の中で一番公共性が高い事業を行う団体=国」は、常に、お金が潤っているはずなのです。
ところが、実態はそうなっておりません。
何故でしょうか?
お金というものは、「善いこと」や「公共性のたかいこと」に集まるものではないからです。
CSR経営を実践している企業は、
「善いこと」や「公共性の高いこと」を行っているから
お金が集まるのではないのです。
“経営リスクを極小化するという経済合理性”があるからこそ、
自社に売上や利益がもたらされるのです。
確かに、人は「善いこと」や「公共性の高いこと」にお金を投じる傾向があります。
しかし、それだけでは、人がお金を投じるに十分な理由にはなり得ないのです。
人は、長い歴史の中で、様々な環境変化に対応し、生き抜いて行かなければなりませんでした。
そこで、人には、生まれながらに、損得を見極めて行動しようという行動原理が身についています。
だから、「善いこと」や「公共性の高いこと」でお金を集めるためには、
CSR経営のように、経済合理性に基づく「集金ストーリー」が必要なのです。
今回、このコラムを書こうと思ったきっかけは、
ある地方銀行の紹介で、一般社団法人の資金調達と資金計画立案について相談を受けることになったからです。
来週、月曜火曜に出張で、一般社団法人の代表と面談する予定です。
電話の段階で、その一般社団法人の代表には、まさに
「善いこと」と「公共性」は“お金”を集めるという都市伝説が染みついていることが伝わってきます。
このような誤解を持ったまま事業を行ってしまえば、
成功するはずのものも成功しません。
「善いこと」と「公共性」は、
「経済合理性を持ち合わせた集金ストーリー」と融合したときに、
はじめて、大きな資金調達能力を発揮できるのです。
ここで、エンジェル投資に置き換え、
資金調達力を極大化する「経済合理性を持ち合わせた集金ストーリー」について、
考えてまいりましょう。
エンジェル税制を活用し、資金調達に成功する会社には、
「世の中にメリットのあること」を「エンジェル税制という公的お墨付き(=公共性)」
のもと行うからという経営思想が備わっています。
同時に、「エンジェル投資の利益回収を確実に実現できるビジネスモデルの存在」
といった経済合理性も備わっているのです。
第五次産業革命を迎えた今、他社との差別化は一段と難しくなりました。
そこで、国の制度を味方につけて未来を切り拓くだけでなく、
投資家に経済合理性のある「集金ストーリー」をも提示できるということが、
かつてないほどまでに重要になっています。
エンジェル税制は、1997年の創設以来、
幾度もの改正を経て、日本のイノベーションを力強く後押しする制度へと成熟しました。
私はこの制度を、「民間主導の技術革新を孵化させる国家インフラ」と捉えていますが、
近年では、日本においても、エンジェル税制を活用し、
大きな技術革新と急成長を成し遂げた企業が次々に生まれています。
代表的な事例として、メルカリ、FREEE、SHElikesなどが挙げられます。
いずれの企業でも、創業関係者から
「エンジェル税制が生み出した資金調達ストーリーが資金調達や成長の後押しになった」との声が上がっており、
その事例は多くのメディアでも取り上げられています。
しかし、これらの企業が資金調達に成功したのは、
投資家に経済合理性を提供できる「資金調達ストーリー」の構築に成功したから
であることは、言うまでもありません。
そこで、次回から3回にわたり、
メルカリ、FREEE、SHElikesの成功事例を手掛かりに、
今まで、お伝えしてきた「エンジェル税制認定企業の設立に参画することで得られる“大大恩恵”」を示してまいりたいと思います。
それと同時に、「善いこと」「公共性」「経済合理性」を満たした「資金調達ストーリー」についても、
より具体的にイメージしていただければと思います。
そして、オーナー社長自らが永続不滅のファミリービジネスを創造する経営者として歩み続ける
――その確かな未来像を描いてまいりたいと思います。
なお、エンジェル税制の大恩恵をさらに詳しく知りたい方、
認定企業である株式会社maximumへ投資を検討されている方、
エンジェル税制認定企業を立ち上げ、
自らのビジネス拡大に活用されたいとお考えの方は、
ぜひ下記よりお問い合わせください。
▶ https://www.mku-consulting.com/maximuminc/
代表電話(03-5843-7228)にお電話をいただけましたら、
私のほうから折り返しご連絡もいたします。
すべてのオーナー社長が、
「善いこと」と「公共性」は“お金”を集めるという都市伝説の呪縛から解き放たれ、
自らの事業を永続不滅のものへと導く手がかりが得られますよう。
コラムの更新をお知らせします!
コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。

