どこよりも早い?ハノーバーメッセ2026速報
顧客接点強化による成長型IT導入 鈴木純二 SPECIAL
SPECIAL
顧客接点強化による成長型IT導入コンサルタント
ベルケンシステムズ株式会社
代表取締役 鈴木純二
顧客接点の強化を軸に、業績に直結するIT導入を指導するスペシャリスト。世に無駄なIT投資が横行するのと一線を画し、顧客の利便性向上、新規取引先、深耕開拓、利用促進…などを主眼に置いた、実益のIT活用と投資戦略を、各会社ごとに組み立てることで定評。
ドイツで開催されている年に一回の巨大産業展「ハノーバーメッセ2026(以下メッセ)」に情報収集に来ています。こちらの時間の今日正式な開会をしたばかりで、あまりイベントもブースも周り切れていませんが、開会に先立って行われた開会セレモニーと、マスコミ向け(そこに潜り込んでいます)のプレイベントがありましたので、その情報で今回のコラムをお届けします。
特に以下の二つについて書き進めます。
- ”言わずもがな”の「AIだらけ」状態とヒューマノイド
- 今年のパートナーカントリー ブラジル
では、ど定番のAIの話題から
”言わずもがな”の「AIだらけ」状態とヒューマノイド
1月のCESに続き、産業界もAIがキーワード、というか、AIが当たり前で、会場でAIではないものを探すのに苦労するほど、深く広く浸透しています。CESでもお話をしましたが、今年は特にAIを用いた「デジタルツイン」に注目が集まっています。プレイベントで企業系基幹システムのSAPブースに行きましたが、やはり話題はデジタルツインに集中していましたし、業界全体での期待が高まっていると感じました。
デジタルツインは、物理空間上にある、例えば製造設備とか部品や製品、その組み立て工程などについて、デジタル空間上でそっくりに双子のように再現し、将来シミュレーションを行ったり、工程や業務の最適化、さらには現実の世界で発生したことについて、その原因を突き止めるなどといった、様々な用途があります。非破壊検査のようなものだと言えば、製造系の会社の方にはわかりやすいかもしれません。
その概念はわりと古くから伝えられてきましたが、何しろ現実世界を忠実にデジタル化することの煩雑さと難しさや、仮に構築できてもそれを運用する手間の負荷が大きく、大規模な組織でないと現実的には実現不可能な時期が続きました。もちろん、小規模で実験的なものはあちこちで見かけることもありましたが、現実世界の変化をデジタル化するためにいちいち人の手間を介していてはタイムリーな構築な運用などできませんし。
ところが、そこに生成AIが登場しました。前述の様な「煩雑さ」や「手間」などはすべてAIが引き受けてくれるので、構築については人間はデータを用意することが主な仕事となり、後の作業はAIが肩代わりしてくれます。これで「デジタルツインの構築」の部分は大幅に現実的なものになるわけです。
今回SAPのブースで説明を受けたものも、基幹システム側・生産管理システム側から見たデジタルツイン構築や運用の機能でした。まだショーが始まっていないので、もっと詳しい情報は再取材の上でお送りすることとしますが、SAPだけではなく製造実行システムも含めて多くのソフトメーカーが自社ソフトの上でデジタルツインを構築運用できる機能を追加してきています。
ここで課題が発生するわけですが、「どんな会社も一つのソフトだけで動いているわけではない」という現実です。あちこちのメーカーがデジタルツインを含むAIサービスを提供してくるのは良いのですが、複数のソフトが入っているとお互いの互換性がないことが多いので、相互接続に課題が発生します。それがユーザーにとっては課題ですし、ソフト会社側に突きつけられる現実ではないかと思います。このあたりの情報にも注目して取材を進めようと思います。
今年のパートナーカントリー ブラジル
ハノーバーメッセは毎年パートナー国を1国選ばれて、共同でプロモーションを張ったり、大規模なブースを出します。今年はブラジルです。不勉強で知りませんでしたが、ドイツとの関係は非常に古いとのことで、シーメンスのブースでは「100年を超える関係」と言っていました。
開会セレモニーでは、ブラジルのルーラ大統領が出席し、スピーチをしていましたが、曰く「ドイツの南米での最大の貿易国はブラジルである。幸い、EUとの自由貿易協定が発効したが、交渉から発効まで26年もかかってしまった。こんなに遅いのはだめだ。」という話をしていました。背景は関知していませんが、26年はかかりすぎですし、ルーラ大統領の不満もよくわかります。政治的なことは全くわかりませんが、ルーラ大統領のスピーチは、変な言い方ですが政治家そのもので、非常に引きつけられる話かたをする人と思いました。通訳の言葉しか聞いていませんが、それでもはっきりと打ち出していたのは、「戦争絶対反対」であることと、「グリーンエネルギーをもっと使わなければならない」、この2つは明確な主張でした。まぁ、ブラジルはアマゾンを抱えているので、南米屈指のグリーンエネルギー大国であることは事実だと思いますが、その大統領がアメリカをやり玉に挙げて冷静な表現で非難しているところを見るにつけ、確かにブラジルは民主的で・表現の自由を守る国なのかな、とも思った次第です。
なお、メルツ首相の話も聞きましたが、一つ気になったのが「人手不足」です。ドイツも人の手が足りないのですね。しかも、その解決方法として期待されているのが移民だと主張していました。移民はEU各国は受け入れ慎重に切り替わったのかなと思っていましたが、少なくともこのメルツさんのスピーチでは、移民受け入れのための制度が混乱をもたらしている、ということだそうです。また、ヒューマノイドがこれだけ大々的に取り上げられているショーの開会式に、わざわざ人の手が足りないと主張することは、ここに集まった人たちの出鼻をくじくようなものであり、政治家としては一点ほど失点したのではないかとも勘ぐっています。
日本はどうなるのでしょうか?非常に気になることです。
今後何回かメッセ関係のコラムをお送りします。ご興味のある方は、お楽しみに!
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