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「チェーン店として人時生産性を上げる仕組みはあるか?」

  個店力最大化 伊藤稔 SPECIAL
伊藤稔 SPECIAL

個店力最大化コンサルタント

株式会社 レイブンコンサルティング 代表取締役 伊藤稔

儲かるチェーン店をつくっていくには、時代はいま、「画一化」から「個店力最大化」へと変わっている! 多店舗展開するスケールメリットと、一店一店の魅力を強くして収益力を圧倒的に強くしていく実務とは…。

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「こうして人時管理をしていくと、不要な仕事が見えてきて、それをなくすとどんどん人が余っちゃうことになりませんかね?」ある企業でのプロジェクトメンバーからの相談です。

———その通りです。間違いありませんからどんどん改革を進めましょう!と背中を押させていただきました。

特に今は、スーパーマーケットやドラッグの売上が上がり続けています。これは、少なからずやインバウンド等の外部環境によるものですから、業務改革をやらずに人を増やせば、売上急減の時に大変なことになります。

自社で仕込んだ催事が成功したり、新規商品が売れたりといった、自社コントロールができる部分は当然それに合わせ人時は増減させることはできても、こういった外部与件に柔軟に対応するためには全社的な仕組みやツールが必要となってきます。

しかし、大事なことは、どんな理由にせよ売上が下がった場合は、速やかにコストも下げられる仕組みで利益を計画通りに残すようにしておくことが重要です。

「それができないから 苦労してるんじゃないか」という声が聞こえてきそうですが、「店舗経費のその半分を占める人件費は、人時管理がなされていなければ下がることはありません」というふうに私は断言しておりますので、おやりになりたくない社長はその他の方法でやってください。とキッパリお伝えしております。

国際市場が相手の自動車産業では販売台数の売上予測が下がった場合、生産ラインを止め対応するのはむしろ当然のことなのですが、どうしても国際市場に触れることの少ない日本の小売業は、急激に売上は落ち込まないものの、それでも販売点数が下がった日ぐらいは、無駄な作業は止めないと利益の残らない月が出てきてしまうわけです。

売れる商品を開発したり見つけたりする、魅力あふれる売場をつくる、試食やプロモーションで、お客様が喜ぶ企画を集めていけば、売り上げは上がるものの、やがてお客様は飽きますから、また新たな手立ては必要となります。

注意したいのはこれを繰り返していくと予想以上にかかっていたコストとロスのため、締めてみたら持ち出しの方が多かったということがあるということです。

断っておきますが、手間のかかる売場づくりや、プロモーションがダメというわけでなく、そこにはどれぐらいのコストがかかっていて、それは人時生産性を上げたのかどうかのかということをリアルタイムで知ることが大事で、これなくして企画を増やし続けてしまうと、持ち出しばかり増えてしまうということです。

風が吹けば吹き飛んでしまいそうな、経常利益率を変えるのに、今後も店舗の魅力をさらに上げていくことには変わりはありませんが、忘れてはならないのは、日々のコストコントロールで蓄積した原資で、未曾有の果実を手にすることが必要だということです。

「うちは売上は作るのは得意だけど利益が残らない」「本当ならもっと利益がのこってもいいはずだ」「十分人件費は払っているからもっと考える社員がでてきてもいいのだが」と経営課題は尽きませんが、企業によって得手不得手があって、客観的な視点で全てを自社で上手くコントロールするのは難しいものです。

例えば、売上のいい時は、商品ロスや人件費についても見過ごしがちになりますが、いい時に取り組まれた企業ほど、この甘さを可視化できることから、その資金づくりは容易に進めることが出来たりするからです。

人件費の場合、作業に人時を割り当てていくことで、ムダが見えてきますので、そこを調整していくことになるのですが、これを頭で理解して、行動に移すまでには少し時間がかかるため、余力のある時期に人時導入をされた企業は圧倒的優位なポジションとれるからです。

よく、アメリカ小売業視察ツアーに行かれたことがある方ならご経験されたことはあると思いますが、どのチェーンでも 店長とかマネジャーとかはゆったりと構え業務に取り組んでいます。

一方で日本のスーパーマーケットの店長はというと、秒速で売場を駆けずり回っている。この違いはどうしてなのか?と聞かれることがあります。

文化的な違いなのか?国民性なのか?店舗フォーマットの違いなのか?昔からそういわれ続けてきたのですが、理由は一つだけで、作業指示が明確であるか否かということです。

作業指示書では役職別にやる仕事が決まってますから、店長は品出しやレジには入りません。時間が来れば商品が通路に残ってようが、レジが混んでようがサッと帰ります。

日本から小売業視察ツアーで行った人の前でもそうしてるだけで、そういうオペレーションを知らない人たちからみれば、アメリカ人は売場がちゃんとしてなくても平気とか、割り切ってるとかいいますが、役割がしっかりきまっているから、それを店長がやってしまうと担当アルバイトの仕事を奪ってしまうことになるからです。

もう少しわかりやすく言い換えれば、時給の高い人が、時給の低い作業をすることにより、人時生産性を低下させる要因となってしまう、というきわめて理にかなった仕事をしているのです。

日本のスーパーマーケットは、人時生産性よりも表面的な売上高を気にする傾向にありますから、売上が上がっても利益予算は未達成ということが頻繁に起きます。

アメリカのチェーンは最終利益で結果を出さなければ機関投資家の要求にこたえられませんから、とても厳しい環境で商売をし続けてるがゆえに、人時管理で人時生産性を上げるのは必然であるといえます。

日本流とかアメリカ流とか関係なく、地方の小さなチェーンであっても国際社会に通じる小売企業に成長していくためにやるべきことは、いままでやっていて役にたっていないものは何か?これを探しだし 稼げる事業に変えていく「変更業」といえます。

社長として、毎日これを実現させるためのことをいくつ決定できたか?そしてそれらを準備できるスタッフを実務を通して何人育成することができたか?これこそが労働集約産業の代表格小売業の醍醐味と素晴らしさであるといえます。

さあ、貴社では 本日いくつ「変更業」として決定されましたか?

 

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【儲かるチェーン店】 個店力を最大化させて収益を伸ばす経営視点
伊藤稔

個店力最大化コンサルタント

株式会社 レイブンコンサルティング代表取締役

伊藤稔

執筆者のWebサイトはこちら http://www.ravenc.jp

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