社長の情報発信、そんなに続くものなのか?―ネタ切れの恐怖と戦う―

  地方メディアの高度有効活用 海江田 博士 SPECIAL
海江田 博士 SPECIAL

地方メディアの高度有効活用コンサルティング

株式会社メディアコネクション 代表取締役 海江田 博士

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。


私が、FMラジオのビジネス番組を5年間、一般紙や専門誌へのシリーズ投稿や連載をもう何回も経験しているという話をすると、それを聞いた人が

「よくそんなにしゃべったり書いたりするネタが続きますね。」

と、驚かれます。情報発信はいいけれど、そんなに続けられるものか、元になる材料(ネタ)は尽きないのか、と皆さん考えてしまうらしいのです。

私が最初の連載を経験したのは、隔週発行の業界誌へ連続12回シリーズの投稿でした。業界の専門性からは少し外れた内容ではありましたが、私の得意分野であるマーケティングをテーマになんとか書かせてもらいました。

「なんとか・・」と書いたのは、さすがに最初の経験のため勝手がわからず、方向性などあれこれ迷ったからです。それでも途中から書き方のコツを掴んで、どうにかこうにか12回書ききることができたのです。この時はネタ云々よりも、書き方とか分かり易さとかに神経を使いました。まあ、とにかく夢中で最後まで書き終えたという感じです。

一番長く続いているのはラジオ放送で、これは現在5年目に入っています。

番組は、月に1回のペースで放送されていますので、その放送回数は既に50回を超えています。1回の放送で30分近くしゃべるために、A4のコピー用紙2枚半くらいの分量の原稿が必要です。

ここが「本当にネタは大丈夫なのか?」と、みんなに驚かれるところなのでしょう。

結論から申し上げると、ネタに困った、枯渇してしまったということはありません。もちろん、毎回テーマについて懸命に考える、中身を吟味するといった苦労は絶えませんが、言いたいことはいろいろとあるものです。

私の場合、「中小企業の経営支援」を切り口にしているために、テーマとしての間口は比較的広いことになります。このテーマを広げてみたり深めてみたり、色々と工夫しながら1回1回の放送分を作り上げていくのです。

放送に際して、その時間きちんと出演ししゃべることは、当たり前ですが変更の効かない「約束」ですので、これを守らないということはあり得ません。

特に私の場合、生放送のため気を使います

この仕事は、ついつい怠けがちになりそうな自分を一定間隔で追い込むいい機会になるのです。

こういったことを続けていると、面白い現象が2つ起きます。

それは冒頭の「ネタは尽きないのか?」という疑問への回答にもなると思います。

まず一つ目は、当然のことですが、そのテーマへの理解や考察の度合いが深まっていきます。

常にそのテーマについて向き合っていますので、自然に深く考える癖がついてくるのです。そうすると、「そういえばもっと大事なことがあった。」とか「ああ、これはまだ伝えてなかった。」とか「そうだ。こういったことも是非伝えなければ・・」といった新たなネタも出てくるものです。

もう一つは「関連づけ」がうまくなってくる、ということです。

これはどういうことかというと、いかに深くそのテーマを掘り下げることができるようになっても、さすがにそれ(深める作業)だけでは、毎回外に向かって書いたりしゃべったりする内容を埋めるのは厳しくなってきます。

そんなとき、世の中の他で起きている現象と自分が抱いているテーマとを関連付けて見てみればどうなるのか、という切り口が有効になってきます。

つまり、テーマを少し広げてみる、という手法です。

例えば、ある大企業で起きた事件とか不祥事とか、どこかの地方議会で論争になっている案件とかが、私のテーマである「中小企業の経営支援」と関連がないか、と考える訳です。これは「考える」というよりはむしろ、普段悩んでいる中小企業の様々な問題点と「あ、これはよく似ているなあ・・」とか「同じようなことが起きているんだ」とか気付く、つまり発見する、ということになります。

ただ「テーマを広げる」というよりは「テーマを広げて問題を俯瞰して見ることができるようになる」と言った方が近いかも知れません。

そしてこれは「テーマを深める」に匹敵するくらい大事な切り口になります。

というのは、様々な課題がよりクリアに見えてきたりその解決策を思いついたりするのは、この「別の視点」を持った時に多く起こるからです。

例えば、大企業の不祥事を見て

「ああ、こんなことをやっているからダメなんだよなあ。しかしこれはいろんな業界、いやお客さんの会社単位でも言えることだぞ。」

と気付かされたりする訳です。

私も、こういったほかで起きた事象や現象を、自分が現在取り組んでいるテーマに置き換えてみるようにしています。そしてそれを書いたりしゃべったりさせてもらっているのです。

このように、その時代性とか起こった事象とかを自分が抱えているテーマに関連付けて見られるようになれば、その行為自体何らかの形でアップデートしているわけで、常に新しい切り口なります。

それを転用するのですから、書いたりしゃべったりするネタに困る、ということはないことになります。こう書いてくると、なんだかちょっと安易な手法に聞こえるかも知れませんが、決してそんなことはありません。

というのは、前述したようにこの「関連付け」によって、問題解決の糸口が見つかったり、潜んでいたあらたな課題が垣間見えてきたり、とそれなりに有意義な発展性があるからです。

つまり、放送や連載といった形の情報発信を続けるということは、半ば「強制的」にその内容を考え続けなければならない状況に自分を追い込むことになります。

そのことが、自らの視野を広げたり物事への考察を深くしたりすることに繋がるのです。聴取者や読者という第3者が絡んでいるので、怠ける訳にはいきません。

経営者の情報発信は、このように思わぬ副産物を生みだします。

それよりも何よりも、自らの成長発展につながることは確かです。

経営者の皆さんはあらゆるこういった機会を逃さないよう、有効な情報発信を心掛けてください。

 


企業の盛衰を決める社長のためのメディア戦略
海江田 博士

地方メディアの高度有効活用コンサルティング

株式会社メディアコネクション代表取締役

海江田 博士

執筆者のWebサイトはこちら http://mc-kaieda.com/

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