テクノロジーを恐れる前に経営者が持つべきたった一つの考え方

  商品リニューアル 古崎千穂 SPECIAL
古崎千穂 SPECIAL

商品リニューアルコンサルティング

りぼんコンサルティング 代表 古崎千穂

商品リニューアルに特化した専門コンサルタント。「商品リニューアルこそ、中小企業にとって真の経営戦略である」という信念のもと、商品の「蘇らせ」「再活性化」「新展開」…など、事業戦略にまで高める独自の手法に、多くの経営者から注目を集める第一人者。常にマーケティング目線によって描きだされるリニューアル戦略は、ユニークかつ唯一無二の価値を提供することで定評。1969 年生まれ、日本大学芸術学部文芸学科卒。


AI、ロボット、自動運転、AR、VR、ブロックチェーン・・・、

第4次産業革命の到来と呼ばれ日々「仕事を奪われる」そんな恐怖の言葉が跋扈しています。

商品リニューアルコンサルタントとしてわたくしが直観することは、

たったひとつのこと。

それは、社長の「やる気」です。

「根性論ですか・・・」そう胸につぶやかれた方もいらっしゃるでしょう。

そう、「やる気」です。「本気」と言い換えても良いでしょう。

この強靭な魂「気」によって突き動かされた「商い」だけが激動の時代を生き抜いてゆきます。

テクノロジーと根性、この違和感こそが面白い!

そんな風に気づいた経営者にとってはワクワクと胸が高鳴る時代、

非常にユニークな時代の幕開けです。

そして、すでにもう新しい時代は始まっています。

先日、経営者が集まる会でお会いした方から久しぶりにご連絡をいただきました。関東近郊で和菓子を製造販売会社の三代目社長です。大手新聞社主催の経営セミナーに参加したとのこと、「止まらない人口減によるマーケットの大変動やテクノロジーの超進化があらゆるビジネスを変えて、、、というような話を聞き、非常に危機感を感じた」そうです。そこで「主力商品の売上が頭打ちになっている今、財務状況が安定しているので、何か新しい事業にチャレンジしたいと考えている」ぜひアドバイスが欲しいとのことでした。

マスコミをはじめ「あなたの仕事はなくなる」というテーマの講演会、セミナー、書籍がたくさん出ています。ある意味、発信者は「揺さぶり」を目的としているので、素直な社長であればあるほど不安をお感じになります。結果、社長は何かアクションしなければ、と思われたわけです。

AI、ロボット、自動運転、AR、VR、ブロックチェーンなどのテクノロジーの発展が世界的なメディアにおいて中心的な話題となっています。遠い未来の話ではなく、これらのテクノロジーは静かにわたしたちの生活に浸透しています。

身近な例を書きます。

例えば、この連休中、お隣の家から「オッケーグーグル!」というお子さんの声が聴こえてきました。30代共働きご夫婦と幼稚園児の家族構成です。GWの初日には、お父さんとお子さんが庭いじりをしていました。朝から夕方まで、家族の微笑ましい会話が聞こえてきました。翌日の朝から、お子さんの声だけが聞こえてきました。ご両親は掃除や洗濯などの家事をしている様子です。お子さんの可愛い声が「オッケーグーグル、〇〇〇はどうやっていくの? オッケーグーグル、〇〇〇の行き方を教えて!」とスマートスピーカーに向かって質問し、友達が遊びに来るまでの数時間、ずっとコミュニケーションしていました。

一方、マスメディア発信のニュースではロボネコヤマトの自動走行実験が注目です。1週間ほど前に、DeNAとヤマト運輸の協業プロジェクト「ロボネコヤマト」サービスにおける自動運転の走行で、いよいよ無人運転による配送の実用化を念頭に検証が行われたと。自動運転の実装が具体化し、さまざまなプロセスを経て、今後は生活に浸透しはじめるでしょう。自動運転による移動や時間の考え方が大きく変わることを予感させるニュースです。この他、日本の未来について提言する研究者や良書がたくさん出ておりますので、詳しいことは専門家の方々に譲ります。

こうした時代の変化変容は、世の「常」として捉えたいものです。大きくて強くて太い声で叫ばれることも、小さな囁き声で伝えられることも、その裏側にある利害関係や既得権益などをあぶり出しながら、その上で時代環境を見据える冷静さが必要です。そして、最も大事なことが、新規事業にチャレンジしたいという社長の「意欲」がどこからくるのかを見定めること。ここが事業成功のポイントとなります。

前出の社長が抱くチャレンジ精神や事業拡張のビジョンは、経営者でしたらどなたもがお持ちになるマインドです。社長の口から表現された「売上が頭打ち」「財務が安定」「新しい」・・という言葉のニュアンス、その言葉の奥にある世界観、熱量というものは実際に話していると伝わって来るものです。残念ながら、社長からは滾るような熱い熱いモチベーションを感じることができなかったのです。

こういう話をした時「ITの時代に、根性論ですか。計測できないような精神を取り除きビジネスを効率化させるためのテクノロジー。根性で儲かる時代じゃないですよ」という反論が出てまいります。まさにご指摘通りです。テクノロジーは「計測できないモチベーション」が苦手です。「根性」というやる気、動機、モチベーションでは動けないのが機械の特徴です。モチベーションのないビジネスと機械は親和することを意味しています。

これからの未来、「モチベーション」という言葉が非常に重要になってくることは、AI等の研究者の間でも提言されています。モチベーションには「動機を与えること。動機づけ。誘因」という意味、そして「物事を行う意欲。やる気」とあります(広辞苑 第六版)。

ビジネスを興して成功に導いていこうという人は、たとえ世の中が不景気になろうと、人口減、高齢化が進もうと、AIに代替される社会が来ようとも、とにかく、今月の売上をどう上げて利益を拡大していくか、いかにしてクライアントを増やしていくかを朝から晩まで考えているものです。

そして時代の変化を前にした時には「ピンチこそチャンス!」と捉え、前向きにクリエイティブに考えてゆくものです。感覚的には、だれに批判されようとも理解者がいなくても面白がって果敢に作品に挑むアーティストと同じ匂いがあるものです。

わたくしも経営者の一人です。どんなに厳しい状況にあったとしても「全てがビジネスチャンス、売上を上げて顧客を増やすチャンス」と考えます。リスクを取っても先ず一歩前に出る、出たい!そんな強烈なモチベーションと強烈な「気」で満たして、チャレンジしていきたいと考えます。

機械には「モチベーション」がない。リスクをとるほどモチベーションが上がるというのは、人間独自の感覚です。つまり「モチベーションがそれほど・・・」という程度のビジネスであれば、簡単に機械化されてしまう。テクノロジーに代替されるということを提示しています。非常に恐ろしい話でもあり、清々しいくらいシンプルです。

よって、前出の社長が先ず検証すべきは「なぜ売上が頭打ちになっているのか」ということです。時代の追い風、向かい風に頼らず、自らの商品開発力や売る力が試される売り場で、前年の売上をクリアしリピーターを増やすチャレンジをしてきたのかどうか。どのような仕掛けをしてきたのか。

洋菓子や和菓子などの嗜好品は、天候や季節の変化に多大な影響を受けます。その日の天気や気温などの変化に対応していたのかどうか。一方で、どんな天候でも売れる商品づくり、売り場づくり、そして接客による顧客づくりをしてきたのでしょうか。主力商品を磨き上げてきたのでしょうか。

儲けたいから新規ビジネスをという程度の動機であれば、人工知能に膨大なデータをインプットし、売上増の数値を入れて積算させ戦略を導き出せば済みます。リスクを回避したビジネスプランが瞬く間にアウトプットされるはずです。そして御社じゃなくても、A社でもB社でも汎用できるということを意味します。

100年以上の老舗企業が多いわが国の歴史を振り返れば、それらを支えてきたのは経営者の気迫や念力だということがわかります。自らが総指揮をとり、社長自らが社内に混乱を巻き起こす。先陣をきって果敢に挑んでゆく熱狂、そして気魂。飽くまでも本業を磨きに磨きあげてゆき、果たして、その先に「コレだ」といううっすらとした光が見える。そうした気迫の賜である「本業」の延長線上に、何か新しいビジネスがあった・・・、そんな営みの積み重ねではないでしょうか。

新規事業を・・・、その社長のチャレンジは「本業」に飽きてしまったからではないのか。絶対に機械には持てない「バカ」がつくくらいの強烈な動機、気魂のモチベーションがあるのか。それとも無いのか。

新しい挑戦に対して、ご自身のモチベーションを見定めてください。その着眼こそが、今後の進退を分かつのです。怖いのはテクノロジーではありません。恐ろしいことは「慢心」です。社長ご自身の「やる気」が、真に問われる時代がやってきました。厳しい言い方をすれば、やる気がないビジネスはすべて機械化される、ということです。

 


【社長直轄】商品リニューアルの着眼点
古崎千穂

商品リニューアルコンサルティング

りぼんコンサルティング代表

古崎千穂

執筆者のWebサイトはこちら https://rbnc.jp/

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