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不毛な価格競争から抜け出すための重要視点

SPECIAL

キラーサービス(特別対応の標準化)コンサルタント

株式会社キラーサービス研究所

代表取締役 

経営革新コンサルタント。イレギュラー対応を標準化することで、ライバル不在で儲かる、「特別ビジネス」をつくりあげる専門家。倒産状態に陥った企業の経営再建から、成長企業の新規事業立ち上げまで、様々なステージにある数多くの企業を支援。イレギュラー対応を仕組みで廻して独自の市場をつくりだす画期的手法に、多くの経営者から絶大な評価を集める注目のコンサルタント。

「結局、価格競争から抜け出すにはどうしたらいいんでしょうか?」― 先日当社のセミナーにお越しになった経営者からのご質問です。

多くの中小企業にとって価格の低下は大きな悩みです。現状、多少なりとも価格を下げていかないと売上が上がらないということであれば、その商品はライフサイクルの成熟期、つまりコモディティ化しているということであり、その先に未来はありません。

価格を下げて量をさばき、スケールメリットを効かせてコストを下げる…。そのような戦い方はもはや過去の遺物。「大きな物語の時代」は終焉を遂げ、商品のライフサイクルが極端に短命化した今となっては、プライスダウン先行の低価格戦略は非常に危険です。

特にスケールメリットが効くほどの量を確保することが難しい中小企業においては、価格を下げるという発想は捨て、どうすれば他社より高価格をつけられるかという「高価格競争力」を持つ必要があります。

では、自社の商品やサービスを高価格で売るためには何をすべきか。

ここで、安易に新商品開発や商品リニューアルという手法に頼ると失敗することも多いです。

そういった手法自体が悪いわけではありませんが、問題は考え方です。従来のものを良くするという発想では価格を上げることは難しいか、または上げられたとしても一時的になります。

やってる当人からすれば、価値が上がっているのだから当然価格も上げられるだろうと思うものですが、買い手から見ると、その上がった価値というのは程度問題で、価格アップの正当化するほどのものではないということに。

「そんなことない。以前のものよりも大きく変わった。他社の商品と比べてもずっとよくなっている。」このような反論も聞こえてきそうですが、ここで問題は「比べられる」ということです。

類似は差異に先行する。

差異があるというのは類似しているということが前提、つまり比較可能という時点で似てしまっているということです。

逆に言うと、比べられないためにはまったく違うものにしないといけない。これが、従来のものをより良くするという発想では失敗する理由です。

買い手が高いと思うということは何かと比べられるということ。そして比べる対象は他社品だけではありません。一番比べやすいのは自社のこれまでの商品だったりします。従来の商品と「比較可能」な新商品開発や商品リニューアルでは、新たな売上創出や利益向上は限定的で、コストと時間が無駄になったということにもなりかねません。

ここで、いままでの商品とはまったく発想が違う商品なんてできるのかと疑問に思われるかもしれません。確かに、少し前のコラムでもご紹介した岐阜の未来工業さんのように次々とユニークな商品を世に出してしっかり儲けている会社もありますが、およそ必要とされる商品は世に出尽くしている中で、モノとしての商品そのものによる完全な差別化というのはハードルが高いのも事実です。

だからこそ、サービスによる差別化です。商品は同じでも御社から買うことで得られるプラスアルファとしてのサービスをつける。そのサービスがいまだかつてない発想であれば、類似品と比べることは難しくなります。

つまり商品が「似ている」ものになってしまう場合は、そのままむき出しで売らずに「似ていない」サービスで包み込むということです。

結論、価格競争から逃れるには、何が何でも他のものと比べられないカタチにするということです。そうすることで初めて御社が価格決定権を手にすることができます。この価格決定権を握るということは経営の生命線とも言えるほど重要なことです。

では、商品であれサービスであれ、従来のものと完全に差別化されたものを生み出すことを難しくしている要因は何か。

それは結局のところ、まだまだ「従来のもの」に価値があると思っているからです。その価値を捨てきれていないから、新しいものを生み出そうとしてもどうしても似てしまうのです。

普通じゃないものや常識をやぶるものを志向しながら、根っ子では「普通」や「常識」あるいは「今までのやり方」に安心感を覚える。

つまり、自己否定できていない。自分が自分を自由にさせないということです。

これは、顧客のニーズをくみ取ろうと言っている人も同じです。すでに顕在化した顧客ニーズを反映させた商品・サービスを世に出してもありきたりなものになるだけです。顧客もまだ気づいていない潜在ニーズを提示してこそ価値があります。顧客の声をそのまま鵜呑みにしているようでは周回遅れということです。

世に出回るマーケティング的な発想で商品開発や商品リニューアルに着手しても、そのベースとなる発想法や思考法が従来のままでは結局今までと同じような結果しか生まれません。これは新しいアプリをいくらインストールしてもOSが古いままでは機能しないことと同じです。

当社がコンサルティングのコアに位置づけていることも、この「従来の常識や思い込みを捨てるための発想法・思考法」に他なりません。OSレベルで常に自己否定と自己革新ができる体制づくりこそ、企業が強いポジションを保ち続けるための要諦です。

自分を無意識のうちに縛りつけている常識や思い込みを捨て去り、いい意味で顧客の期待を根本的に崩すような革新的な商品・サービスを世に出していきましょう。

 

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