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多くの会社で守破離のサイクルが回らない理由

  キラーサービス(特別対応の標準化) 中川洋一 SPECIAL
中川洋一 SPECIAL

キラーサービス(特別対応の標準化)コンサルタント

株式会社キラーサービス研究所 代表取締役 中川洋一

経営革新コンサルタント。特別対応を標準化することで、ライバル不在で儲かる、「特注ビジネス」づくりの専門家。倒産状態に陥った企業の経営再建から、成長企業の新規事業立ち上げまで、様々なステージにある数多くの企業を支援。イレギュラー対応を仕組みで廻して独自の市場をつくりだす画期的手法に、多くの経営者から絶大な評価を集める注目のコンサルタント。

当コンサルタント開催セミナーがあります。

「よく守破離っていいますけど、うちは最初の守から怪しいですよ。」― 当社のセミナーにお越しになった社長が感想として漏らされた言葉です。

仕事のやり方を何度社員に指示しても定着せず、仕事のやり方もバラバラで非常に効率が悪いとのこと。

「守」というのは「教えられたことを忠実に守り、実行すること」を指しますが、この社長の会社では「守」をすっ飛ばして個々の社員がそれぞれ「破」の状態になってしまっているということのようです。

これを聞いて「確かにわが社もずっと「破」だな。」と思われる経営者も多いのではと思いますが、なぜ多くの会社で「守破離」のサイクルが建設的に回っていかないのでしょうか。

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ここで、あらためてこの「守破離」という言葉のルーツをみてみましょう。この言葉は千利休の

規矩(きく)作法 守り尽くして破るとも 離れるるとても本を忘るな

という歌からきています。

規矩作法というのは「物事の規則・基本・決まり事」という意味です。

つまり、「守破離」のサイクルが回らないのは、その前提となる業務手順や工程が決まっていないことが最大の理由です。

工程が社員の頭の中だけにあり見える化されていない状態。これではブラックボックスになってしまいますし、新人に引き継ぎをしようと思ってもうまく進むはずがありません。そもそも当の本人が自分のやり方を言語化できていないことも多く、そうなると「見て盗め」的な指導になってしまい、経営としては非常にマズいことになります。

まずは、現時点でベストと思われるオペレーションの工程を定め、それを文書化すること。つまりマニュアルをつくるということですが、これがオペレーションを進化させるための出発点となります。

そして「」の段階として、全社員が決められた工程にそって仕事ができるように管理者が訓練することです。これが社員教育となります。

よく自社のできの悪い若手社員を外部研修に送り出す社長がいますが、これはまったく無意味です。研修後の2日ぐらいはやる気が上がっているかもしれませんが、彼の仕事の質が上がることはありません。

仕事ができない社員はマニュアルにそって「守」を徹底させる。これしかありません。これはスポーツと同じで訓練するしかないのです。

そして「」とは、日常的に起こるマニュアルの更新です。一度決めた工程が未来永劫ベストであるはずはありません。やっているうちに修正すべき点や例外事項などがたくさん出てくるはずです。これをマニュアルに反映させていくのです。

しかし、個々の社員が勝手に修正をしたのでは「みんなのやり方」にはなりませんから、管理者が判断をして赤ペンで書きこんでいきます。

よく、「マニュアルはつくったが全く使われていない。」という会社がありますが、これは一度決めた工程をまったく改善していないか、あるいは改善はしているがそれをマニュアルに書き込んでいないかのどちらかです。

工程を決めてそれを守るといっても、その工程を固定化してはいけません。ビジネスの状況は変わっていくものですから、それに合わせて仕事のやり方も変わっていくのは当然のことです。

また、修正した点をマニュアルに書き残していかなければ、これはまた仕事の進め方が属人化、ブラックボックス化しますから、工程の変更は「会社の決定」として反映させることが重要です。

そして「」は何かというと、自分たちの仕事のやり方、工程を定期的にゼロベースで見直すことです。自分たちが守っているやり方を全否定し、そこから思いっきり離れた発想で考えてみる。自分たちのやり方を日々修正しているレベルではなく、そもそも自分たちでやる必要があるのか、というレベルから見直す。これにより自社のオペレーションは飛躍的進化を遂げる可能性がでてきます。

この「離」を担うのは管理職、つまりマネジメントの役目です。マネージャーですからプレーヤーではありません。もちろん兼務することはあると思いますが、そこの役割は切り分けて考えなければなりません。

プレーヤーにはきちんと決められた工程を守らせる。仕事を仕組みで回し、組織の強みとする。そしてマネージャーは「破」と「離」を担い、仕組みをつくり進化させる。ここのメリハリをつけ、マネージャーには文字通りマネジメントの視点を持たせることが、会社が継続的に発展するための肝となります。

よく「マニュアルづくりは社員の個性をつぶす」というような指摘がありますが、これは全くの見当違いです。個人がバラバラに仕事をしたのでは大した成長はありません。外からの影響を受けないからです。仕事を仕組み化することによって組織力が効いてきます。そしてその組織力を強くする中で個人も鍛えられていくのです。

そして、「仕組みをつくる側」であるマネージャーには独創性が求められます。言われたことをきちっとこなすプレーヤーとしての能力だけでは通用しません。ここに仕事の面白みがあります。この喜びを社員に味わわせることです。

御社は規矩(きく)作法としての業務手順の言語化、そしてそこからの「守破離」のサイクルは機能していますか? 個々の社員が「破」の状態になっていませんか?

「守破離」を通したオペレーション進化と組織力の向上を実現していきましょう。

 

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儲かるキラーサービスを つくる社長の視点
中川洋一

キラーサービス(特別対応の標準化)コンサルタント

株式会社キラーサービス研究所代表取締役

中川洋一

執筆者のWebサイトはこちら http://ksli.co.jp/

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