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論語とそろばん

SPECIAL

環境戦略コンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

環境戦略アドバイザー。数々の多国間環境条約や、国連が提唱する2030年のための持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)を参照しながら、サーキュラーエコノミーなど企業として取るべき環境戦略や、環境対策を通じた長期収益構造の改善などをアドバイスしている。

「論語と算盤」は、故渋沢栄一の言葉としてあまりにも有名です。現在放送中の大河ドラマが好調なこともあってか、渋沢栄一について紹介されるテレビ番組やメディアの特集記事などでは必ずといって良いほどこのコトバが紹介されていますね。

でも、論語を学ぶ機会など今の時代にはほとんどありません。高校で漢文を学ぶ機会があればようやくその一部を目にすることがあるにしても、きわめて限られた部分でしかありません。過去の教育に関する情報を調べてみると、戦前は中学校(今の高校に相当、ただし進学率は高くない)で論語をしっかりと学ぶ機会があったことが見て取れます。それが戦後になって廃止され、そのまま現在に至っています。

戦前に中学教育を受けた世代はすでに大半が鬼籍に入られている現在、大半のシニア層も含めて論語に直接触れた経験のある日本人はほとんどいないはずです。ではなぜ渋沢のコトバが注目されるのでしょうか?

社会に評価され定着したお作法や仕組みには、その裏付けとなった思想信条みたいなものが整備され広まって行きます。まだ作業の多くを人に頼っていた時代、如何に人を育てるかに多くの知恵が割かれたころのエッセンスが論語には詰まっていると言えます。

確かに学校で論語を習うことはなくなったかもしれませんが、社会に出て人と人が仕事で触れ合う中、評価されたお作法や仕組みを裏付けるものが実は論語や論語を学んだ世代の考え方だった、と整理すればわかりやすいでしょうか。

他方で社会の仕組みには、時代の変化によって思想信条が人為的に消去されてしまった部分があります。たとえば明治維新が新しい社会を構築する中で、相容れない思想信条は政治的に排除されました。社会を迷信で埋め尽くした道教などの民間信仰は廃すべきものとされ、今では各地に残る庚申塚などにかろうじてその名残を見ることができますが、他方で日めくりなどのカレンダーには今でも各日付の吉凶や昔風の曜日、さまざまな言われや迷信(三隣亡など)が記載されています。

ところが社会の大枠は何も根底から変化するわけではなく、相変わらず昔と同様の人間関係やモノのやり取りで成り立って行く部分が残ります。インターネットの世の中になったとはいえ、結局人と人とのコミュニケーションを通じてしかビジネスは成り立ちませんし、そうなると社会に対する尊敬が基本にないとビジネスは成り立たないことになります。

論語への憧憬は、実はそんな社会の飢餓感を表したものなのではないかと思うのです。会社がしっかりしないとまともに商売もできない、しっかりするとはどんなことか?そうだ、論語とそろばんだ、というような。

テレワークが主体になっても、決済がビットコインに取って代わられても、基本は人対人のビジネスであることを見失わず、「論語とそろばん」を大切にしてください。基本を大切にする経営者を当社はいつも全力で応援しています。

 

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