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日本の中小企業が生き残る道 ~アジアの成長を取り込む「新ビジネスモデル」の構築~

SPECIAL

東南アジア進出コンサルタント

KJグローカル経営事務所

代表 

国内企業向けの、東南アジア市場進出の戦略・実務コンサルタント。大学卒業後20年以上の間、メーカー・商社・公的機関にて海外ビジネス(主に東南アジア・中国)に従事。東南アジア市場におけるマーケティング・拡販業務を成し遂げた後、大手自動車関連メーカーにて同社中国初の販売会社(ディストリビュータ)を立ち上げ、人事・財務・企画等の管理部門の統括などを歴任。その後、食品/アルコール・伝統工芸品・医薬品/医療機器など多岐に亘る業種のアジア市場開拓支援を経て、2018年にKJグローカル経営事務所を設立。現在同社代表。

 

    2024年6月27日。「FIFAサッカーワールドカップ2026(男子)」アジア最終予選の組み合わせ抽選会がマレーシアにて行われました。日本はグループC。日本の対戦国は、オーストラリア・サウジアラビア・バーレーン・中国・インドネシアと、南半球の国から中東・ユーラシア大陸の国まで多岐に亘ります。今回の日本チーム(SAMURAIブルー)の移動距離はとてつもない距離になってしまいました。東京を起点とした場合、サウジアラビアの首都リャドまで約8700km、バーレーンの首都マナーマまで約8300km、オーストラリアの首都キャンベラまで約7900km... これは欧州のロンドン-パリ間の距離である約350kmと比較すると明白ですが、「アジア」は地理的に東西南北に亘って極めて広いエリアなのです。

 また、その極めて広い「アジア」はユーラシア大陸の面積の約80%を占め、世界人口の60%強が住んでいる地域。さらに、2023年の世界GDPに占めるアジア地域の比率は30%を超えており、2030年には50%を超えるという予測も出ています。

 このような状況において、円安や新型コロナウイルス終焉の影響もあり、アジアを中心とした海外からの訪日旅行客は増加の一途をたどっています。JNTO(日本政府観光局)の統計によりますと、2024年の1~5月までの訪日観光客数は累計約1460万人に達しており、3ヶ月連続で300万人を超えています。また、韓国・台湾・香港・シンガポール・インドネシア・フィリピン・ベトナム・インド等では「5月として過去最高」の水準に増加しているのです。

 訪日観光客の増加により、日本の中小企業の売上・利益が上向くこと自体は望ましいことです。しかしながら、当事務所では次の2つの観点から「これは危険な兆候である」とお伝えしています。1つ目の観点は、【訪日観光客による売上高への貢献は、あくまで「他力本願」であり、自社の営業努力だけでは統制できない】という事実です。自社独力にて円安を継続できる手法を持っていないことを考えると明確ではないでしょうか? 2つ目の観点は、【今日のグローバルに亘るヒトの移動を考慮すると、「いつ・何時」再び新しい感染症が世界的に広がり、ヒトの移動が制限されるか全く分からない時代】に入っているという点です。ほんの1年半前までの体験を我々は簡単に忘れがちですが、そのような事態が再び襲ってくることは充分に考えられるのです。

    このような観点から、当事務所が日本の中小企業経営者の方々にご提案しているビジネスモデルとして、「Inbound-Outbound Ring(インバウンドビジネスとアウトバウンドビジネスの効果的・好循環な繋がりの仕組みづくり)」があります。Inbound-Outbound Ringについて戦略を練る際、最も重要なのは「時系列的に3段階に分類して考えること」です。まずは【①旅行前】。ポイントは、外国人観光客に自社の店舗や製品について事前に認識してもらうことです。その方法の1つとして、海外の旅行会社等とのパートナーシップ(提携)があります。その実現のためには、自社についてPRできる資料や動画を充実させ、パートナー企業を本気にさせる仕掛けが必要になってきます。次に2つ目は【②旅行中】。ポイントは、入国した外国人観光客に必ず貴社(店舗等)へ足を運ばせることです。そのためには、貴社でしかできない「貴重な体験」を提供しなければいけません。最後に3つ目は【③旅行後】です。日本旅行中に接触できた外国人観光客との関係を継続的に保持することが重要。そのためには、接触時に顧客情報を取得し、帰国後も外国人観光客が貴社製品を購入できる仕組みを作らなければいけません。ネット(越境EC等)での販売だけではなく、海外でもリピート購入ができる現地の小売店/販売店と提携できれば効果的です。

 このように、インバウンドビジネスの拡販策を練る際にも「アウトバウンド(輸出や提携)」について同時に考えなければなりません。すなわち、(「②旅行中」だけではなく)「①旅行前」や「③旅行後」も含めた効果的な仕組みの構築には、現地のパートナー企業との協業が必須なのです。最近、当事務所には「Inbound-Outbound Ring(インバウンドビジネスとアウトバウンドビジネスの効果的・好循環な繋がりの仕組みづくり)」についてのご相談が増加しています。攻め(輸出や提携)と守り(インバウンドビジネス)を一体化したInbound-Outbound Ringの構築。ライバル企業がまだ動いていない「今」こそが、それを始める好機なのです。円安等の「他力本願」の影響によるインバウンドビジネスに過度依存した売上増加を「一過性」のものにするのではなく、外部環境に影響されない「強靭な経営の仕組みづくり」に一緒に取り組みませんか?

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