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業績の良い企業が行っている人材育成の視点とは

SPECIAL

波及営業コンサルタント

有限会社 日本アイ・オー・シー

代表取締役 

取引先のネームバリューで次々に新規開拓を実現する「波及営業戦略」を体系化した辣腕コンサルタント。特に技術系のメーカー企業や、特殊な加工、取り扱い品、異色サービスなどを手掛けている企業の販売戦略の再設計、大きく売れるようにする仕組みづくりに定評。

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「適性や能力の無い人間に、どれだけ努力をさせても無駄ムダ!と断言するのは、ちょっと乱暴ではないですかね

前回のコラム「社員に《優しい会社》は偽善である」は、様々なご意見を頂戴しました。

おっしゃる通り。と賛同してくれる人も入れば、 人間の可能性を否定している? と反論されてくる人もいました。

私は「どちらが正しいのか?」と議論するつもりは毛頭ありません。

置かれた立場やこれまでの経験によって意見が分かれるからです。

そもそも、本コラムは「自己啓発」をテーマにはしていません。

自己啓発の観点から発信していれば、「人は無限に変われる!」と私だって主張します。

しかし、本コラムは営業の効率化、事業の成長をテーマに書いています。

経営者やマネージャーが「人は無限に変われる」ことを前提条件にするのは、ムダな労力や投資が必要となるばかりでなく、受け手である社員にとっては「圧力」と感じる人も出てくることが容易に想定できます。

なので、本コラムでは「人は変えられる」などと安易に発想しない方が正しい経営ができるというスタンスは変えません。

ちなみに、人が変りにくい…というのは心理学の観点から見ても、よく分かります。

「交流分析」という心理学では、幼児期から青年期までの親などの養育者の影響によって「私はこのように生きる」「このように他者と接して生きていく」という人生の脚本を完成させると言われています。

人生脚本は、突っ込んで勉強したことがありますが、問題点を自己認識できても「思考のクセ」なので、そうそうに治るものではありません。

そうした経験を踏まえ、第三者からの説得や教育訓練で、対人能力に変化がおきるとは到底思えないのです。(キッカケは作れますが、それも困難です)

また、脳科学の視点から見ても「環境を吸い取る脳みそ自体が、遺伝によって規定されている」という説もあり、これは着目すべき視点だと藤冨は捉えています。

子供の顔が、両親に似るのは、誰もが認める事実です。

身長や体格、肌、髪、目の色も、両親と似るのも誰もが認める事実です。

では、脳の構造は?

と聞けば、ここだけ違うというのは、明らかに違和感があるはずです。

私たちの記憶や学習、運動機能は、神経細胞間を接合する「シナプス」の活動によって規定されていると言われています。

環境によって、反応したシナプスが、連続点火することで、神経回路が強化され、記憶の増強、学習効果の定着、運動機能の向上へと繋がっていくのですが

幼子から二十歳前後までの性格形成時期に、この環境によって反応するシナプスが強化されると見るのは、なんら不思議なことではありません。

つまり「親のシナプスの活動パターン」が子にも強く影響するのは、自然なわけで、物理的にも環境的にも「脳」は、親の影響を強く受け継ぐと考えるのが、最も自然な理解なわけです。

心理学的にみても、脳科学的に見ても、長年培った習慣…つまり対人能力は、極めて変化しにくいものと捉えることが出来るのではないでしょうか。

もちろん、この親が与えた環境で育った自分に違和感を抱くことができれば、自己成長は促すことは、可能です。

本人が変りたい。

なんとか脱皮したい…

という「変化・成長への切望」という強い動機づけがあれば、対人能力を向上させることは出来るはずです。

しかし、第三者に強制されてできるようなものではありません。

つまり人間は外部からの刺激、上司の命令や教育訓練だけでは、変化成長できないということに繋がっているのです。

ただし…人材育成と称して、自社の必要とする人材のみを残し、不適合社はふるい落とすと言う「ふるいの機能」を意識するなら、人材育成は効果を成します。

実際、業績のよい会社は意識的、無意識的に関わらず、結果論から見ると人材教育は「ふるいの機能」を果たしています。

御社では、人材育成をどのように捉えていますか?

 

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