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経営にストーリーが必要な理由―AIに対抗できるのは独自性と創造性―  

SPECIAL

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション

代表取締役 

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。

先日、テレビの特集番組でAI(人工知能)を取り上げていました。将棋の佐藤名人がコンピュータに敗れて

「これで人間がコンピュータに勝てないことが確定した。電脳戦(将棋における人間とコンピュータの戦い)はこの勝負が最後となった。」

というナレーションが流れて、将棋には門外漢の私も少なからずショックを受けました。もちろん佐藤名人の落胆ぶりは見ていて気の毒なばかりで、相当戸惑った様子でした。

特に

「なに一つ間違った手は指していないのに結果的に負けてしまった。」

とのコメントに、何とも納得いかない彼の心情がうかがい知れたのです。

番組では、AIが人間に与える恩恵を紹介する一方で、その推量することを許さない不気味さ、思考プロセスのブラックボックスに対する恐れについても触れていました。開発した側の人間が、その予測不可能な潜在能力の可能性にて戸惑っていたのです。

AIの恩恵の最たるものの一つとして、タクシーの乗車率を上げるシステムが紹介されていました。AIが指示する地域で車を走らせれば乗車の確率が高まるというのです。最初は半信半疑だったベテラン運転手も、その効果の高さに驚いていました。

この技術の更に先にあるものは、おそらく車の自動運転でしょう。自動運転が発達すれば、人間の運転手のいらない日がくるはずです。

車の運転に限らず、人間が何か処理をしたり、定型的な作業として行なっていたことは、急激なスピードでAIに替わっていくことを予感させます。将棋は私が以前聞いていたよりもかなり早い段階でコンピュータに敗れました。車の運転や将棋だけでなく、AIが人間を凌駕する領域は、今後かなりのスピードで増えていくことになるでしょう。

そう考えたときに我々人間は何をやればいいのだろう、というところに思いが至ります。特に経営者は、AIといった先端の情報や技術をビジネスに取り入れながら、一方で生身の人間である社員も活かしていかなければなりません。

私は、このコンピュータにできない領域で、経営者に最もその力量を発揮してもらいたいのは、自らの事業において「独自性」を追求することだと思っています。いかに能力の高いコンピュータといえども「独自性を創り出せ。」と命令を与えたところでできるはずもないからです。

「独自性」の反対は「汎用性」と言われます。

だとすれば、この「汎用性」を有用な形にまとめ上げることを最も得意とするのがコンピュータといえるでしょう。仕事をどこまでも「標準化」していくことが、コンピュータの大きな役割の一つなのです。

さて、この「汎用性」の反対の概念である「独自性」を抽出する元となるのが、我が社が営々と築いてきたストーリーということになります。

近い将来、AIなどの技術の発達によって一般的な作業でほとんど差がつかなくなった場合、際立ってくるのがこの自社の「独自性」だと私は考えます。AIなどの導入で作業的な仕事の合理化を図る一方で、経営者は自らの仕事として、自社のストーリーから「独自性」を抽出し磨き上げていく必要があります。そのためにはコンピュータにはできない「創造性」を発揮してもらう必要性も出てくるのです。

これまでも何回も書いてきましたが、何故私がこんなことをしつこく申し上げるかといえば、そんなことにチャレンジする経営者はほとんどいないからです。これから、普通の仕事は標準化されてAIなどの現代的な技術に取って代わられていきます。

そんなときに、差別化を図っていくとすれば、自社の「独自性」を磨くことであり、それを創り出す経営者の「創造性」が期待されるのです。

決してAIに取って代わられることのない、経営者の仕事、「独自性」と「創造性」を発揮できるよう、改めて自社のストーリーに向き合ってみて下さい。

 

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