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「情報発信」はやがて「自動発展装置」としての機能も発揮する―アウトプット力に対する正しい評価―  

  地方メディアの高度有効活用 海江田 博士 SPECIAL
海江田 博士 SPECIAL

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション 代表取締役 海江田 博士

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。

昔から言われている商売上の言葉に

「いい商品であれば黙っていても売れるはずだ。」

というものがあります。

商品さえ良ければ黙っていても人がそれを求めてやって来るに違いない、という、言わば他者頼みの発想です。ただ、さすがにこれを「その通り!」という人は少なくなってきました。

というのは巷(ちまた)に、いい商品、優れた商品は溢れているからです。特に品質に対する審美眼の厳しい日本ではその傾向は顕著です。結果、いい商品でありさえすれば黙っていても売れる、というのは幻想にすぎない、という結論に達しています。

中には、

「世の中に売れる商品というものはない。売れる売り方、があるだけだ。」

或いは

「いい商品が売れるのではない。売れる商品がいい商品なのだ。」

と、極論する人まで出てきました。

さて、このお話を私が所属しているもう一つの業界に置き換えて考えてみましょう。会計人の業界の話です。会計事務所は今2極化が進んでいると言われています。顧客の数をどんどん伸ばしている事務所と、どんどん減らしている事務所の2極化です。

売上を延ばしている事務所、減らしている事務所にはいろいろな要素や原因があります。

その中で、伸ばしている事務所に例外なく言えるのはSNSなどのデジタル媒体を活かして、自分の存在を誇示しているということです。逆に売上を落としている事務所は、これまた例外なくそういった活動をほとんどしていません。

もちろんそれだけが原因ではないのですが、上記のような現象をこの点に絞って考えてみたいと思います。

世の中に、資格を取って開業したばかりでキャリアはないが、初めからHP(ホームページ)などは怠りなく作り、曲がりなりにもコツコツと「情報発信」を始めた事務所があったとします。一方で、もう何十年のキャリアを積み重ね、様々な税務の事例にもあたり、経験豊富ではあるけれどHPもなく特に何の「情報発信」もやっていない事務所があったとします。

今後、どちらの事務所が売上を伸ばしていくでしょうか。

まあ言うまでもないことですが、売上を伸ばしていくのは、前者のまだキャリアはないが「情報発信」を怠りなく続けて行った事務所、ということになります。

何故こんなことが起こるのでしょうか。これまた言うまでもないことですが、後者の事務所は、その存在を誰も知る由もないからです。「情報発信」をしていなければ、キャリアがあろうがなかろうが、場数を踏んでいようがいまいが知られることはありません。

知らなければ選びようがないのは自明の理なのです。

これに対して、

「いや、そんなことはない。そもそも会計事務所は、昔から『口コミ』で選ばれてきた。HP程度で信頼を得られるものではない。」

という意見を言う人もいるでしょう。

このご意見は、冒頭の「いい商品なら売れるはずだ。」という考えに似ています。確かに会計事務所の選択理由は、今でも『口コミ』が強力な媒体であることに変わりはありません。

しかし、そのベースとなっている地域社会が急速に希薄なものになっていることを忘れてはいけません。特に地方の場合、過疎化高齢化の波をもろに受けて、地縁血縁社会は今や崩壊寸前と言っても過言ではない状況です。

そこに完全に依拠していたのでは、今後の新たな集客など望むべくもありません。

一方、デジタルを媒体とした世界はどうなっているかといえば、今ではほぼ一人1台ずつスマホを持つ時代になりつつあります。40代以下の若い世代は、個人間の情報交換だけではなく、普段からビジネスにもこういったツールを駆使しています。以前は『口コミ』を補完する機能がHPなどのデジタル媒体でしたが、その地位はもはや逆転しているといっていいでしょう。まずは、デジタルな媒体に乗っかっていなければ話にならない時代になったのです。

ということは、逆に歴史があり、様々な事例にも豊富に当たってきた会計事務所が、そのキャリアについてきちんと「情報発信」を始めたならば「最強」ということになります。

新興事務所には、そのキャリアがまだないからです。

ただ、「いい商品は黙っていても売れるはずだ」主義?のオールド事務所は、今でも驚くほど「情報発信」をやっていません。

したがってそこに長けた新興勢力にどんどん領域を犯されているのです。つまり、とても「もったいない」ことになっているのです。

さて、長々と私の所属している業界をサンプルにお話してきましたが、これは他のすべての業界にも言えることです。

自分が「いい商材」を持っていると自負しているのであれば、どんどん「情報発信」をしていくべきです。

そうしなければ「選ばれる」以前のポジションまでも到達しません。

更に「情報発信」は、やがて「自動発展装置」としての機能も発揮し始めます。

「情報発信」に対する様々な反応(レスポンス)に応えているうちに、力がついてくるからです。

先の会計事務所の例でいえば、急激に顧客が増えた場合、それに対応する過程で失敗する可能性も高いと言えます。というのは、税務会計顧問というのは「売り切り」の商品ではないからです。どうしても契約したあとの手間がある程度かかりますので、あまり急に顧客が増えると対応が雑になる可能性が高いのです。そうなれば、顧客のクレームに繋がりかねません。滑り出しで顧客は増えたものの、最初の挫折が待っているかも知れません。

ただ、仕事というのはそういう試練を経て実力がついていくものです。

とにもかくにも、まず顧客がつかなければ始まりません

こちらか発信した情報に反応してくれた顧客に懸命に対応する過程で、こちらも成長するのです。

「いい商材」を持っているので「情報発信」を行なってその売上アップに繋げる・・・この考え自体間違っている訳ではありませんが、そのレスポンスは「注文」だけとは限りません。

想定外の様々な反応が帰ってくる可能性があります。

そのことがまた事業を成長させるのです。

「いい商品なら売れるはず」という意識から一歩踏み出て、「情報発信」をダイナミックに展開することで新たな事業世界の構築にチャレンジしてみて下さい。

 

 

企業の盛衰を決める社長のためのメディア戦略
海江田 博士

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション代表取締役

海江田 博士

執筆者のWebサイトはこちら http://mc-kaieda.com/

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