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企業をダメにするのは経営者?!ゼロ円で始められる人材育成の方法とは…?

SPECIAL

ブランディング営業体制コンサルタント

H&Cブランディングマネジメント株式会社

代表取締役 

中小企業のための、「ブランディング営業体制」を構築するコンサルタント。営業スタッフのみならず、全社をあげて、企業価値をしっかり守り、価格競争をせずに確実に売れていく体制づくりを指導する。

「うちの社員は無能ばかりで……」 

こう嘆く経営者は、残念なことにとても多くいらっしゃいます。営業だけでなく開発も上手くいかず、社員の活気は失われ、どことなく社内に閉塞感が蔓延しているのでしょう。 

しかし、本当に社員は無能なのでしょうか? 

人間は欠けている部分に目が行きやすいもので、ついつい“出来ない社員”を無能扱いしてしまいがちなのですが、経営者が考えるべきこととは、その欠けている部分を補うための教育や、反対に得意な部分・可能性のある部分を引き出し伸ばしていく教育をおこなうことです。適切な人材教育に時間もお金もかけず、全て社員任せにしていれば、経営者の求める「優秀さ」が表に現れることなどありません。こうなると経営も右肩下がりになっていくのが世の常です。

人材教育…やりたいけど経費がかかるよな~と頭を抱える経営者の皆様。倒産という憂き目にあわない為の適切な人材育成、今回はなるべくお金をかけない方法についてお話していきます。

 

■叱咤激励が社員を無能にさせる

社員に頑張ってもらおうと叱咤激励を飛ばす経営者は、私の周りにもいらっしゃいます。老若男女問わず、相手の悪い点を指摘すれば改善するであろうと思い込んでいる人がとても多い。でも、これは逆効果ですよ。

パワハラ認定を受けることもあるでしょうし、叱咤激励を受けた社員が抑うつ状態に陥ることもあるでしょう。こうなると業務どころではありません。労基やユニオンと会社が対峙する可能性も出てきます。

何より、叱咤激励はとても後ろ向きなのです。未来を見据えての行いではありません。これからを良くする為のはずが、過去の社員の行いしか見ていないからです。その過去だけを見て「無能」呼ばわりするのは、あまりにも想像力がなく短絡的です。

そのような経営者のことは、優秀な社員ならすぐに見抜き、見切りをつけ去って行くでしょう。一方、さほど優秀でない社員の場合、経営者に合わせ「想像力がなく短絡的」にならざるを得ません。「とにかく経営者が言う通りに、自分の仕事や役割さえ黙々とこなせばいい」と考え、「何のために仕事をしているのか」という目的意識は希薄になって、組織のチームワークは乏しくなり一体感も生まれてこない…そんな“無能状態”でいることが、彼らの生存能力の一つなのです。

では、叱咤激励を遣わず経営者や管理者はどのようにして人材育成をしていけば良いのでしょうか?

 

■ピグマリオン効果を的確に用いる

ピグマリオン効果をご存じでしょうか?1964年にアメリカの教育心理学者のロバート・ローゼンタールによって行われた心理実験です。これは、教師が期待をかけた分だけ生徒は伸びるのではないかという推測の下、教育現場が実験場所でした。

現在では批判も多く再現性の乏しい実験だと言われていますが、一部は正しいものと私は考えています。もっとも、何の根拠もなく期待をするのでは、ただのナルシストを育成するだけです。しかし、根拠のある期待を行うのであれば、これほど効果の高いものはありません。

例えば、ターゲットである飲食店ではなく洋品店と契約を結んできた営業マンがいるとします。飲食店と契約できなかった点だけを見ると彼は無能です。ところが、「洋品店という新規開拓をしてくれた優秀な人材」と捉えると、将来有望な人材に早変わりです。

こうやって社員の根拠のある優秀な部分を見つけ出し、「期待している」と声をかけると今後の彼のパフォーマンスは上がっていきます。これは目の前にいる人間の期待に添おうという心理が、人間には備わっているからです。共感性といいます。

この共感性は良い方向にも悪い方向にもいくものです。ピグマリオン効果は良い方向に行かせるものです。今度は悪い方向に行くパターンを見てみましょう。

 

■日本の経営者がしがちなゴーレム効果

社員を無能扱いし人材育成に手をつけていない経営者は、社員を無能にしている張本人だと先述しました。これも共感性がなせる業です。 

このように全く期待をせず放置をして、パフォーマンスが下がるものを、ゴーレム効果といいます。これもロバート・ローゼンタールの心理実験です。ピグマリオン効果とは違い大きな批判はなく、多くの心理学者も認める心理状態です。 

ゴーレムとはヘブライ語で「泥人形」を意味します。ユダヤ教の伝承に出てくるもので、自ら動くものの自分の考えは持てません。これを聞いて、思い出しませんか?無能呼ばわりしている社員は、この状態に陥っているのです。 

泥人形ばかりの会社は、いずれ倒産します。だって、人形ですから誰かが手取り足取りしない限り動くことはありません。逆に、先に挙げたピグマリオン効果は人形に命を吹き込むものです。ギリシャ神話の彫刻に恋をしたピグマリオンの話が元になっているものですから。このお話の結末は、神様によってピグマリオンが恋をした彫刻は人間になりました。 

どちらが経営に適しているかは、もうお分かりいただけたかと思います。 

 

■未来を想像する力が社員教育の第一歩

今回は教育心理学から人材育成の方法を見てきました。社員の良い部分を見つけ出し、期待をかける。お金はかからず、とても手軽に始めることが出来ます。 

ところが、今までこれをされていなかった方には、難しいかも知れません。相手の良い部分が見つけられない、期待のかけ方も分からず右往左往している経営者や管理者は、実にたくさんいらっしゃいます。 

そんな、困った時にはぜひ私に声をかけてやってください。あなたが社員に命を吹き込む役目を持つなら、私はあなたに命を吹き込むのが役目です。 

あなたはこうやって社員の為に勉強を続けています。その頑張りに意味を持たせ、未来につながるようにしていきませんか。私ならそのお手伝いが出来ます。 

未来は希望に満ち、輝けるものです。明るい未来を想像し、それを実現していきましょう。 

最後まで読んでくださり、有難うございました。あなたの一日が素晴らしいものでありますように。

 

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