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どこにある?たるんだ社員のやる気のスイッチ

  『業績3年 先行管理』の仕組みづくり専門 小島主 SPECIAL
小島主 SPECIAL

『業績3年 先行管理』の仕組みづくり専門コンサルタント

株式会社 勝負ポイント 代表取締役 小島主

 指導暦12年。オーナー企業を中心に約170社の指導実績をもつ経営コンサルタント。独自の『業績3年 先行管理』の手法を通じて、中小・中堅企業が持つ属人的な稼ぐ力・育む力を、再現性の高い仕組みに進化させる。この仕組みは、人間の特性を活かしたものであり「社員が自ら動き出すようになった」「管理の弊害が少なくなった」「目標達成が当たり前になった」と多くの経営者が注目している。

半年前:「思い切って残業を全面禁止にします」
 
 半年後:「大きな声では言えませんが、残業ゼロ活動を撤廃したんですよ」 

<働き方改革> どこの会社も模索しているテーマです。そして、残業時間は、いつまでたってもなかなか減りません。 

目的を考えて行動すれば、自然と無駄は省けるはず。経営者から言わせれば、当然のこと。社員のやる気が不足しているだけに見えます。 

もちろん、真摯に業務改革に取り組む 【頼もしい社員】 もいます。しかし、実際に 【たるんだ社員】 が従業員の権利を主張する姿を目にすると…。 

「やっているフリはいいから、やるべきことをさっさとやれよ!」と反射的にカツを入れたくなります。 

半年前、T社長は強攻策にでました。全社に <残業全面禁止> というルールを導入したのです。多少問題が発生しても改革のきっかけになればよい。他社事例を参考にイケルと目算を立て決断しました。 

しかし、結果は散々たるもの。たるんだ社員は、仕事を放棄。労働時間が減った分、工夫もせずさっさと帰宅するだけ。できる社員はこれまで以上に負荷が高まり不満が爆発。得意先からのクレームも増えました。そして、何よりも業績が急激に悪化しました。 

雨後の筍のごとく問題が発生。解決の目処が立ちません。半年経ち <残業ゼロ撤廃宣言> をすることになりました。苦渋の選択です。 

たるんだ社員のやる気のスイッチはどこにあるのか? (たるんだ社員にどのようにカツを入れるべきか?)

業績と社員からの信頼を回復すべく、T社長は小島に相談しました。今週は、たるんだ社員のやる気のスイッチについてご紹介します。 

 

■1.根本的に問題あり社員=人としてなっていない。考え方もなっていない。 

たるんだ社員を見ると、どのように感じますか? 

「そもそも人としてなっていない」
 「そもそも考え方がなっていない」 

このように感じるのではないでしょうか? 

根本的に問題がある社員は、退社していただくのが一番です(笑 

ただし、社長のスタンスと異なるという理由だけで、安易に退場をうながすのは、少々もったいないものです。何らかの理由があるだけかもしれません。また、新たに人材を採用・育成することを考えると、一人前になるまで時間も労力もコストもかかります。 

そこで、社員に「人として、どうにかしろ!」「根本的に考え方を見直せ!」と言いたくなります。しかし、どれだけ言っても変わりません。やる気もでません。なぜなら、誰しも他人からとやかく言われたくないからです。 

人格や価値観の否定は、その社員が存在することそのものを否定しています。何らかの落ち度があり、社員が意識的に納得していたとしても、潜在意識では異なります。人は動物の一種。生存本能が強力に働くからです。無意識的には、アドバイスを全面拒否。受け入れる以前に、アドバイスそのものを無かったこととして捉えます。 

したがって、社員のやる気のスイッチは【人格レベル】・【価値観レベル】にはありません。どれだけ労力をかけたとしても、期待した効果は出ないでしょう。  


 

■2.能力不足・行動不足の社員 

経営者からすれば、社員自らもっと自己研鑽したら良いのに、行動量を増やしたら良いのに、と感じてしまうものです。全責任を背負った立場だからこそ、求める水準が高くなるからです。 

このため、人格や考え方は問題なくとも、「我が社の社員の能力や行動量は、まだまだ不足している」と感じませんか。 

「もっと実力つけなきゃ話にならん!」
 「もっと行動量を増やせるはずだ!」 

思わず言ってしまいます。しかし、なかなか人は変わりません。

なぜなら、人はマイペースで過ごしたいからです。良くも悪くも、今現在の能力や行動量で何とか成り立っています。社長に怒られたとしても、とりあえず雇用は維持されています。死なない程度の給料もでます。潜在意識的には、変化するリスクよりも、変化しない安定を選びたくなるからです。

現状の仕組みの中では、やる気のスイッチは【能力レベル】・【行動レベル】にありません。どれだけ労力をかけたとしても、それほど効果はでないでしょう。 
 

■3.やる気のスイッチは、いったいどこにあるのか? 

それでは、やる気のスイッチは、いったいどこにあるのでしょうか?

社員一人ひとりの中にスイッチはありません。実は、外にスイッチがあるのです。 

常識的に「社員の中にスイッチがあり、それをONにするきっかけを与えたい。」と思うかもしれません。ところが、社員の中にはありません。スイッチは外、つまり【環境レベル】にあるのです。 

環境を変えることで、社員のルーティンを変える。これがいちばん、会社を変えます。 

【人格レベル】 … 存在否定は受け入れ拒否
 【価値観レベル】… 存在否定は受け入れ拒否
 【能力レベル】 … 変化するリスク > 変化しないリスク
 【行動レベル】 … 変化するリスク > 変化しないリスク
 【環境レベル】 … やる気のスイッチはココ 

結局のところ、環境がすべてです。思わず行動したくなる環境。それも成果につながる行動をしたくなる環境。これをどれだけつくることができるのか。変化しないよりも、変化したほうが安全だと感じる環境づくり。もしこれを実現すれば、社員が自ら行動し始めます。そして、適切な行動を繰り返すようになり、やがて能力、価値観、人格も成長してゆきます。 

<環境でルーティンを変える。それがいちばん会社を変える> 

とても大切なことなので、しっかりと覚えておいてください。
 

■4.自立型社員は、やる気のスイッチをもっている? 

自立型社員のやる気のスイッチは、本人の中にあります。ただし、後天的なものです。はじめからもっていたものではありません。 

たまたま生まれ育った環境・仕組みの影響を受けて身につけただけです。スイッチは次の順番でつくられます。(根本的な価値観の90%は、0歳~7歳の間で偶然体験した経験によってつくられます) 
 
【環境レベル】
当初のやる気のスイッチはココ(環境を整備・仕組みづくり)

【行動レベル】
変化するリスク < 変化しないリスク となった場合、新たな行動量が増える

【能力レベル】
成果につながる行動が増えると、いずれ能力も高まる

【価値観レベル】
能力が高まると、いずれそれに相応しい考え方ができるようになる(後天的に、内蔵型やる気のスイッチに変容します)

【人格レベル】
適切な考え方ができるようになると、いずれ人格も確立される 

人格・価値観がすでに確立されている自立型社員は、たまたまこれまでの人生の中で、価値観レベルまで成長することができました。たるんだ社員も同様です。たまたま育った環境でそうなってしまっただけです。 

だから、諦めるのはまだ早いのです。後天的に身につけたものだからこそ、上書きできる可能性が残っています。救いは、大人になってからも、環境によって行動を変えられる点です。環境を通じて正しい行動を繰り返し選択すると、やがて価値観レベルにまで到達します。すると、自立型社員として活躍しはじめます。(ただし、時間を要します)

その一方で、不適切な環境を放置しているとかなり致命的です。もともと自立型社員として入社した貴重な戦力も、不適切な行動を選択しはじめます。この蓄積が、自立型社員を受け身型社員に退化させてしまいます。
 

■5.T社長のような失敗をしないために… 

T社長は、環境整備や仕組みづくりといった仕込みが不十分なまま、残業を全面禁止にしました。つまり、同じ環境にも関わらず、価値観レベルで全面禁止したのです。厳しい表現をすれば、手っ取り早く精神論で何とかしようとしてしまいました。 

すると、社員は表面的には方針にしたがったとしても、根本的には変わりません。「どうせ無理でしょ…」と内心思いながら、都合の良い解釈をしはじめます。能力は変わりません。行動レベルも変わりません。同じ働き方で、労働時間だけを削減。削減した分の仕事が間に合わなくなり、不具合が発生するだけになってしまったのです。 

できる経営者は、まずは環境レベルに着手します。そして、同時に【環境】→【行動】→【能力】→【価値観】→【人格】と育めるよう全体を設計し、タイミングよく施策を実施します。この全体像を描かぬまま着手しても、効果は限定的です。ぜひ、全体の流れを踏まえたうえで、環境レベルに着手してください。 

5S活動は、環境整備に注力しています。しかし、全体設計を見直すという観点で配慮が不足します。なぜなら既存の枠の中で整理・整頓をすることが前提になっているからです。目的を考え、新たな発想で環境を整備する点を漏らしやすくなります。このため、小さな改善は多くとも、根本的な改革が進みません。 

新たなシステムの導入も、環境整備に注力しています。こちらも、全体設計を見直すという観点で配慮が不足します。とりあえず既存のやり方をシステム化するのか、何らかのパッケージありきで導入するからです。社員は、目的・目標を十分に認識せず、スケジュールありきでプロジェクトにかかわります。やらされ感が満載。受け身で取り組むか、導入を拒絶するか。社長の思うようには進みません。 

ポイントは、社長を中心に、社員を巻き込みながら環境整備を進めること。我が社の組織でも受け入れられるようまずは小さくテストをすること。あたりをつけてから全社的に導入し、タイムリーにブラッシュアップすること。社員とともに自分達のために取り組んでいると気づかせること。これが当事者意識を持たせつつ、環境を整備するコツです。 

御社には今、どのような環境整備が必要でしょうか。ぜひ、全体像を描きながら環境整備を進めてください。

 
 追伸1>
 たるんだ社員に思わずカツ!を入れすぎてしまう…。とてもよくわかります。しかし、短期的にはストレス発散、中長期的にはストレス倍増…。わかっていても難しいものです。コツコツ環境整備をすすめるしかありません。 
 
追伸2>
 環境整備といってもどこから着手すれば良いのでしょうか。全社的に…と考えるほど難しく感じてしまいます。この答えはシンプルです。社長と社員がともに興味があり、自分ごととして捉えることのできるテーマ。それは「近い将来の業績」です。弊社は、【業績3年 先行管理の仕組みづくり】を主力サービスとして提供しております。興味がある方は、ぜひセミナーにご参加ください。

『業績3年 先行管理』の仕組みづくり
小島主

『業績3年 先行管理』の仕組みづくり専門コンサルタント

株式会社 勝負ポイント代表取締役

小島主

執筆者のWebサイトはこちら https://www.shobupoint.co.jp/

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