本物のコンサルティングをより身近に。

戦力になる社員と阻害要因になる社員

SPECIAL

環境戦略コンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

環境戦略アドバイザー。数々の多国間環境条約や、国連が提唱する2030年のための持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)を参照しながら、サーキュラーエコノミーなど企業として取るべき環境戦略や、環境対策を通じた長期収益構造の改善などをアドバイスしている。

業種に関わらず、有能な経営者というものは常に外を見ています。変化に対して敏感であろうとする態度は企業規模の大小を問いません。その分社内への目配りは副社長以下の幹部任せになりがちなテーマです。むろん、仕組み作りが上手く行き、任せている中で上手く回れば問題になることはありません。でも「問題にならない」ことの奥底に、戦力になる社員とそうでない社員の違いを左右する要素があることはあまり知られていません。

仕組みに任せる組織運営は、その組織がある程度予定した行動を自律的にこなし、ある程度想定した結果を出している間は何も問題ないのですが、その中で成功体験が蓄積されると、少しずつですがチャレンジしないことで成功を得たがる社員が出てきます。

勝負がかかる物事は何でもそうですが、その結果はざっと言って楽勝・辛勝・惜敗・大敗の4つに分かれます。経済が伸びない時代にあって、多くの会社は楽勝と辛勝を必ず確保したうえで、大敗を避け、惜敗をなんとか引き分け以上に持ち込むことでビジネスを成り立たせているはずです。楽勝案件はリピート性も高く、リスクが小さい割に利益率も高いのですが、案件数としては決して多くありません。たとえ利益率が低くても辛勝案件を大事に育てて行かないことには成り立たないのですが、往々にして成功体験は人間を保守的にします。

このパターンが当てはまらない人が社内に一人だけいます。それは経営者です。経営者が成功体験の向こうに見るのは、企業の成長であり自身の成功なので、もっとそうなりたいと言う推進力が自身の中に生まれるのですが、社員として仕える人は必ずしもそうではありません。

だからといって社員は経営者との夢を共有できないかと言うと、それもまた正しい理解ではなく、会社が成長し自身の待遇も改善されるとすれば、それは大きな励みになります。問題はその度合いなのですが、「ぜひもっと」と思っているのか、あるいは「もういいや」と思っているかは外見からではなかなか見えないのです。

これもまた、仕組み作りの話になるのですが、社内のことを任せる幹部に対して、社員が成功体験に絡めとられないように、自らのチャレンジ精神を常に耕し続けるように、そして常に自己ベストを狙うように指導させるシステムをしっかりと作っておくことが不可欠となります。そのために不可欠なのが、目標と報酬の組み合わせです。

はっきりした目標としっかりした評価基準があれば、やる気のある社員は進んで戦力になろうとします。それに引きずられ、普通の社員もモチベーションを上げると言う例はごく普通に見られる現象です。

逆に、業界では常に褒められる活力あるはずの会社を覗いてみると、意外や意外、現状肯定主義が蔓延していたりします。そうなると経営者が社内のことに時間を使わなければならない場面が増え、外を向いてばかりはいられない状態になるのですが、実はこれこそが要注意信号です。経営者が自社のことで時間を取られ外を向けなくなる時に、それを代行してくれる人は誰もいないからです。

これを防ぐための、シンプルですが最も強力なサインは「事業の多角化と、昇進昇格(昇給)のチャンス」をはっきりと可視化することです。新しいビジネスを収益化しさえすれば、それで儲けた利益は自分の手取りになって跳ね返ってくるだけでなく、より経営に近いところで自分の思う通りのことができる。これに反応する社員こそが戦力になってくれる人材で、幹部がそれをしっかりと見極められるように仕向けておくことが仕組み作りのポイントなのです。

そうすることで、経営者も心置きなく自らの時間を使えるようになります。戦力になる社員を増やそうと努める会社を、当社はいつも全力で応援しています。

 

コラムの更新をお知らせします!

コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。