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「年商3億の事業が3つ」は、リスクヘッジどころか自滅の道。ランチェスター戦略でその本質を考える、、、

  年商10億事業構築 矢田祐二 SPECIAL
矢田祐二 SPECIAL

年商10億事業構築コンサルタント

株式会社ワイズサービス・コンサルティング 代表取締役 矢田祐二

指導暦18年、これまでに200社以上の実務コンサルティング実績を持つ経営コンサルタント。「10億円事業構築」に強みを持ち、直近5年では、導入後数年で年商数億が10億越えをした企業は20社以上と驚くべき成果を出している。

当コンサルタント開催セミナーがあります。

「年商10億の事業を1つという考え方もありますが、年商3億の事業を3つという形もいいのではないでしょうか。」

よくご相談の場で出されるご質問です。

年商10億の事業が1本、年商3億超の事業が3本
これは、同じ年商10億でも、その内容は全く違うと言うことを理解しておく必要があります。

この年商3億の事業が3本とは、リスクヘッジになるどころか、『もっとも悪い状況』を引き起こす要因になることを理解しておく必要があります。


その理由は大きく二つあります。

一つ目は、「市場での、その事業の強さ」です。ビジネスとは、市場でどれだけ広く強く認知されるか、そして、競合とのシェアの奪い合いです。それが、年商3億では確立できません。年商3億では、規模が小さく、その認知度もシェアも取れることはありません。年商10億でやっとその強さを確保できます。

そして、二つ目は、「分業の効果」です。今日の主題はこちらとなります。似たような業務をある部門や担当に集めることにより、作業の効率を高めることができます。また、その専門性を高め、その進化のスピードを得ることができます。

「年商10億事業が1本」の場合と、「年商3億事業が3本」の場合で、この分業の効果を比較します。

(1)年商10億事業が1本の場合
粗利率50%、社員50名

この規模であれば、営業部門に10名、量産に20名、開発に10名という分業が可能となります。
営業部門として、数多くの顧客先を回ることができます。また、営業担当を増やす代わりに、WEBを使った集客に3名を振ることもできます。
量産部門では、組立、運搬、検査、出荷と役割分担することができます。
開発部門は、その専門性の高さとスピードを維持できます。

(2)年商3億超事業が3本の場合
粗利率50%、社員50名・・・・いち事業当たり社員17名

そのとき、営業担当は4名、量産に7名、開発に2名という分業体制になります。
顧客訪問数は、限定的になります。WEBへの担当者も1名だけとなります。
量産部門では、組立や出荷という形で、一人がいくつもの業務をこなすのが普通になります。
開発部門は、その専門性もスピードも高くなりません。

(1)と(2)では、今は同じ売上げ、同じ利益だとしても、時間の経過とともに差が大きくなることが簡単に予測できます。
(2)の「3億が3本」では、分業から生まれる強さもスピードも持つことができなくなります。

この3つの事業の形が、『リスクヘッジ』という意見も有ります。「弱い事業」「スピードを持って進化できない事業」をいくつ持ったところで、何のリスクヘッジにもなりません。それどころか、リスクを増やしているだけなのです。

実際、生産性(社員一人当たりが一年間に稼ぐ粗利高)を比較すると、下記のような傾向があります。
「年商10億事業が1本」の場合では、1000~1200万円になります。
「年商3億が3本」の場合には、500~700万円となります。

これをリスクヘッジと考えるか、それとも、成長の阻害要因と考えるか、となります。

「年商3億が3本」の会社の状況を正しく表現すると「1人の業務が広すぎるために、効率も上がらず、専門性のレベルも低く、進化のスピードも遅くなっている」となります。

そして、市場には必ずライバルがいます。ライバルにも、勝てないことになります。
この状態で、「年商3億3本の会社」は、「年商10億1本の会社」に挑むことになります。人数にすれば、17名  対 50名と3倍の開きがあります。戦力差では、大負けです。

年間の広告費(粗利高の10%)という視点でみれば、先の会社は1700万円、後の会社は5000万円を投入することになります。広告宣伝合戦でも負けるのです。
戦う前から勝負がついています。


経営者であれば、一度は「ランチェスター戦略」について勉強されたことがあるでしょう。ランチェスター戦略では、「資源の限られる中小企業は、市場を細分化しそこに資源を集中投下し、その細分化した市場でシェアをとれ」と教えています。(矢田解釈)まさにこの通りであり、これこそが我々中小企業が、自社より大きい会社や先行している会社に勝つためのセオリーとなります。

ほとんどの経営者が、この理論を勉強し、「絞ることの大切さ」、「狭い市場への集中投下」を学びます。そして、「その通り!」と理解します。

しかし、ここでさらに学ばなければいけないことは、「捨てる」ということです。
50名で3事業をやっているのであれば、2つを捨て、残った1つに50名を集客投下するのです。この「捨てる」ことをせずに、17名を集中投下しても、「所詮は」17名なのです。


もうひとつ比較をしておきます。

「年商3億1事業で17名の会社」と「年商3億3事業で50名の会社」どっちがいいか?

こう比較した時にも、「後者が良い」とは、簡単には言えません。
それは、この状態であれば、1人の社員が『いくつもの業務を持つこと』になっているからです。
営業担当は、複数の商品や複数の顧客属性をもっています。そのため、「売りやすい」先に力を注ぐことになります。
製造担当は、複数の作業やそのマニュアルがあり、そして、複数の在庫を持つことになります。
開発担当は、「順番に開発すること」になります。そのため、その分野の開発力が積上がっていきません。そして、業務が多岐にわたるために、社員が育つのに時間がかかります。
経営計画書でさえも、3冊必要になるのです。

これなら、前者の「年商3億1事業で17名の会社」の方が、注力でき、この先も伸びる力を持てます。分散による消耗は避けられます。

私は、前者の年商3億1事業で17名の会社に対しては、『年商10億に育つ事業へ今の事業を変革すること』そして、『内部の仕組みは一つの流れのまま』で構築することを進めております。

年商3億3事業で50名の会社では、その事業のなかで、「年商10億に育つ」かつ「社員一人当たり年間1000万以上稼げる」事業を見つける、変革する手伝いをさせて頂きます。

出来なければ、その3事業は、『社員一人当たりの年間粗利高は700万円』のままになります。そして、そこで働く社員は、この先も、活かさず殺さずの状態になり、給与が上がらない状態になります。そして、年老いていきます。

社長の仕事のなかで一番難しい仕事は「捨てる」ことになります。
そして、「捨てる」ことにより、早く大きくして、さらに分業をすすめます。

早く分業したい!もっと分業したい! 毎日そう叫んでください。

『私たちは、早く細かく分業したくてしたくてたまらないのです』

私たちは、強い事業がしたい、そのためにいま頑張っています、
ランチェスター戦略でいう、「強者の理論」で早く戦いたいのです。

1本の事業で年商10億を、まずは目指してください。

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年商10億円への経営視点
矢田祐二

年商10億事業構築コンサルタント

株式会社ワイズサービス・コンサルティング代表取締役

矢田祐二

執筆者のWebサイトはこちら http://www.yssc.jp/

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