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今の顧客を大事にできない企業やお店は、未来の顧客も幸せにできない。

  ギフト通販 園和弘 SPECIAL
園和弘 SPECIAL

ギフト通販コンサルタント

ソーノカスタマーマーケティング株式会社 代表取締役 園和弘

日本で唯一のギフト通販コンサルタント。通販、ギフトの各業界通算25年以上の経験を持ち、2015年に独立。2017年には培った独自ノウハウを体系化し、ギフト通販ビジネス専門のコンサルティング機関「売れるギフト通販研究所」を立ち上げ、多くの企業を指導。幾多の企業を成功へと導く。著書に『「ギフト商品」を通販で売る』がある。

先週のコラムで「お・も・て・な・し」をテーマにしましたが、リアル店舗で「お・も・て・な・し」を思い浮かべられるのは、リーズナブルな価格帯を扱うお店より、高級とされるものを扱うブランド店、外車ディーラー、ホテル、旅館、レストラン、料亭といったあたりでしょうか。 

また、多くの方が利用される中では「百貨店」も丁寧な接客などからイメージができると思います。 エレベーターガールはもう存在しませんが・・・。

後にも述べますが、百貨店では外商と言われる顧客に訪問するような昔からのスタイルがありますよね。そんな外商の顧客の中には、年間6億円も利用される方がいらっしゃるとか。

その百貨店も今、顧客の高齢化、ブランド力の低下、少子化も含めた若年層の取込みの困難さから、リアル店舗とECの狭間で大きく揺れ動いています。

今、通販と言えばAmazon、楽天に代表されるネット通販をパッと思い浮かべられる方が多くなったのではないでしょうか。

ジャパネットやショップチャンネルなどのTV通販も大きく健闘はしていますが、それでもE-コマース、ネット通販の取引額は16兆円を超え、ますます隆盛です。

年齢層としては、TV通販の場合、どうしても家にいる時間の長い層、高齢の専業主婦層か現役を退かれた男性が多く、新聞広告や折込チラシもしかり、若い購読者が減り、年齢が高い層だけが今も購読しているという現実があります。

扱う商材にもよりますが、特に食品系においてはネットの無かった昔も、ネット隆盛の今も、50歳以上の年齢層かつ、経済的に比較的余裕がある世代でないとなかなか利用できないため、デジタル(EC)とアナログ(DMなど)をうまく繋いでいく必要があります。

ネット通販だけで食品系を販売しますと、まだまだ若年層の利用が多いので、食に使えるお金も少なく、買い物をするのはデジタル系かファッション系。食品を買うにしても単価の安いものを求められます。

そんな中、今多くの百貨店が会社全体として掲げる、今~未来に向かって標榜するのは「ECEコマース)」へのシフトです。百貨店業界はご存知の通り、都市部であれ、地方であれ、どんどん店舗が閉鎖されていっていますし、アメリカなど欧米諸国では、日本以上の速さで撤退の知らせが毎年のように届きます。

百貨店という、今なお強いブランドコンテンツがありながらも、日本では少子高齢化が進んでおり、店舗へ新たなお客様を誘導することが先行き困難との判断からか、ECで百貨店を利用してもらう方へと舵を大きく切り出し、最良の方法を模索する百貨店企業が多くなりました。

当社には、某有名百貨店の食品通販を手掛けているクライアントがいらっしゃり、私自身も時折クライアント社長と同行し、その百貨店の担当部署のお話しを伺ったりします。

この百貨店でもECへのシフトは大命題である中、現在DMを使って優良顧客に向けた食品通販も一部行っており、その売れ行きは非常に好調。要するにDMでの案内を気に入っているお客様が沢山いらっしゃるということです。

ですが、会社方針としては紙媒体を無くそうという方向になっていて、売上や利益が十分上がっているにも関わらず、担当部門では社内調整等で大変なご苦労を強いられています。

もちろんDMに掲載されている商品は、同時にWebサイトにも掲載されており、一定数はネットからの注文もあるのですが、注文の70-80%DMに書かれているフリーダイヤルでの電話受注です。年齢層の高いお客様なのでこうなるのも必然です。

その好調なDMでの通販を減らす、止める方向に向かう可能性もこの百貨店では今出てきています。あまり詳しいことは言えませんが、このDMを配布しているお客様は、店舗も常に利用されている超VIP客が対象です。そのVIP客に支持を得ているものであり、もしバッサリと止めてしまえば、DMの到着を楽しみにしているお客様を裏切るものだと、私は思っています。

以前、ある百貨店外商の方に伺った話しでは、個人客で年間500万~最高に多い方では6億も使う方がいるそうです。

このようなお客様に対して会社方針だからというだけで、なんでもかんでもデジタル移行することがいいのか、これまで大きく貢献してきているVIP顧客の楽しみを切り捨てていいのか。せめてマイナス事業になってから終焉させるくらいにできないものか。

今のお客様のECへの移行、また未来の顧客の獲得ももちろん重要ですが、今の顧客を大事にできない企業やお店は、未来の顧客も幸せにできない。と、私は強く思っています。

今までリアル店舗やDMなどアナログで利用されてきたお客様にも真摯に向き合いながら、徐々にデジタルシフトする施策を実施することを、切に願います。

 

儲かる「ギフト化」の経営視点
園和弘

ギフト通販コンサルタント

ソーノカスタマーマーケティング株式会社代表取締役

園和弘

執筆者のWebサイトはこちら https://urerugift.com

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