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価格競争、値引き要求、原因は〇〇が正しく顧客に伝わっていないから

SPECIAL

年商10億事業構築コンサルタント

株式会社ワイズサービス・コンサルティング

代表取締役 

指導暦18年、これまでに200社以上の実務コンサルティング実績を持つ経営コンサルタント。「10億円事業構築」に強みを持ち、直近5年では、導入後数年で年商数億が10億越えをした企業は20社以上と驚くべき成果を出している。

矢田祐二1

『うちの業界は値引き要求が厳しくて』『競合との価格競争が激しくて』とこの言葉を発しているようなら、自社の事業自体の見直しが必要となります。

正しく認識すると、「うちの業界」すべてで値引き要求が厳しいのでなく、「うちの会社」に対し厳しいのです。


 

我々中小企業は、必ず「価値」を売る必要があります。「価値」を提供することで、高粗利の価格設定ができます。逆に、「モノ」を売っている限り、低粗利の価格設定になります。また、価格競争に巻き込まれます。

えば、フランス料理、一人1万円のコースを食べに行きます。この1万円のコースに、それだけの価値があるかどうかは、料理だけでなく、そのサービス全体で判断をします。サービスは、店選びの段階からスタートしています、妻との結婚記念日、誕生日のお祝いなどで使用する、そのために使える店であるかどうか。電話で予約する時の印象も良く安心できるかどうか。そして、店の内装も、椅子の座り心地も、接客も、そして、会計まで、それら全てがサービスなのです、それら全てに対し満足しお金を払うのです。

これに対し、食事だけを提供している店では、おのずと低価格になります。

牛丼、回転寿司、ハンバーガー、これらの事業体では、サービスの部分を省くことで低価格を可能にしています。そして、「どこの牛丼のほうが20円安い」ということがニュースにまでなっています。 

我々の事業は、価格勝負の牛丼店でなく、「価値」で勝負するフランス料理店である必要があります。 

えば、

・「ホームページ」でなく、「集客できるホームページ」を売る
ただのホームページなら製作費50万は高い、毎月、10件問い合わせが来るホームページなら、50万円は安い。

・「金属加工」でなく、「スピード対応」を売る。
試作を大量につくるメーカーからは、「納期」しか訊かれない。

・「店舗デザイン」でなく、「客単価を上げる店舗づくり」を売る。お酒がすすむ空間、そして、客の滞在時間を短くも長くもできる。

自社の事業を「提供する価値」で定義する必要があります。

顧客は、そのサービスから自分が得る価値を基準に評価するため、その価格を当然のこととして受け止めます。そして、値引きを要求しようとは考えません。値引きを要求する時は、それが「モノ」に見えているからです。

ホームページを「作業代」と観るか、「月10件の問合せ」で観るかです。 

まずは、自社の事業の価値変換が絶対に必要となります。


 

そして、その「価値」をしっかり顧客に伝える必要があります。その「モノ」自体を見せられても、その価値までを顧客は知ることも感じることもできません。

サンプルとして、ホームページの製作実績を見せられても「モノ」に映ります。そのホームページから毎月10件の問い合わせがきているという効果を見せられた時に、その「価値」を初めて理解することができます。

金属加工品のサンプルや保有する設備を観ても伝わりません、スピード対応のサービスが成文化された提案書を見て、納得ができます。

サービスというものは、見え難いものだけに、伝え難いのです。だから、多くの企業では、せっかく良いサービスを持っていながらも、顧客に伝えきらずにいます。そのため、顧客からは「モノ」と判断され、他社の「モノ」と比較され、価格競争に巻込まれることになります。伝える努力が必要になります。

また、社長も社員も自分たちが何の「価値」を提供しているのか正しく認識していないケースも多くあります。

なんとなく認識している社長や一部の優秀な営業担当は売れるが、認識できていない営業担当はいつも「価格」を理由に断られることになります。伝わらなければ、ただの「モノ」になり、値引きの話になります。

また、働くスタッフからしても、サービスは見え難いのです。そして、サービスは「結果」を売ることですから、顧客からの要望もおのずと高くなります。スタッフにも自分たちが何を提供しているのかを正しく認識させ、そのための訓練体制を整えなければいけません。

「我々は、集客できるホームページを売っている」
 「我々は、最速の金属加工を提供している」
 「我々は、客単価を上げる店舗づくりを提供している」

この「価値」を実現するための、仕組みを整備していきます。これにより、我社は、他社では替わりが効かない企業になります。戦いがなくなります。

「価値」を提供することは、「モノ」を提供するよりも圧倒的に難易度が高いのです。でも取り組まなければ、高付加価値の価格設定は出来ません。世の中の儲かっている会社は、みんな「価値」を売っています、意地でも「モノ」は売りません。

大手企業は、逆に「モノ」に参入します。

「モノ」は大量生産により原価を下げることで、粗利を確保することができます。「モノ」なので、広く大量に流通させることできます。また、「モノ」であるので、顧客も認識しやすく、売りやすいのです。手間も多く市場規模の限られる「価値」の市場には参入しません。


 

まとめておきましょう。

「価値」を売るからこそ、高粗利の価格設定ができるのです。

「価値」を売るからこそ、強い営業もできます。

顧客は、社長や優秀なスタッフでなく、「サービス」を買います(社員は独立できなくなります)。

社員がモノを売る」のではなく「価値を提供する」ことを目的に考えるようになります。そして、社員は自分たちの事業にプライドを持てるようになります。そして、給与も増えます。

事業の「定義」を見直すこと。事業内容は、「ホームページ製作」でなく、「ガンガン集客を実現する会社」と。

事業の価値変換が出来ない限り、価格の競争は永遠に続きます。

 

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