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新卒採用者が6月に一人、盆明けに二人、、と辞めていく!早期退職が起きる根本的な原因とその対策とは!?

  年商10億事業構築 矢田祐二 SPECIAL
矢田祐二 SPECIAL

年商10億事業構築コンサルティング

株式会社ワイズサービス・コンサルティング 代表取締役 矢田祐二

指導暦18年、これまでに200社以上の実務コンサルティング実績を持つ経営コンサルタント。「10億円事業構築」に強みを持ち、直近5年では、導入後数年で年商数億が10億越えをした企業は20社以上と驚くべき成果を出している。

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「矢田先生、当社は人を育てるのが下手なようです。」

コンサルティングも中盤です。
WEBサービスを提供するH社長から相談がありました。
「どうかされましたか?」、落ち込んだ顔の理由をお尋ねします。

「今年の春に採用した新卒者3名全員が辞めてしまいました。一人目は6月に、二人目は盆明けに。そして、最後の一人が昨日です。」

矢田には、この『辞めた時期』でおおよその原因が予測できました。
「社長、大丈夫です。次の新卒者はそんなことにはならないはずです。」


クリエイティヴを無くすこと。
これが、事業を大きく展開する時に、絶対に必要となります。

クリエイティヴな要素を多く残すと、それは社員ではできない事業となります。
提案営業、企画提案、アイディア、設計、技術、これらはクリエイティヴの代表核と言えます。

これらの要素が事業の中核であったり、自社の売りであったりすれば、それを並みの社員すなわち世の多くの人には、できない業務ということになります。
その結果、社長や一部の優秀な社員だけが、忙しい状態になります。
そして、その状態で売上げをさらに得るために取り組めば、益々社長は「職人化」します。徐々に経営に割ける時間も気力も減ってきます。そして、毎期ほぼ同じ年商を維持することで精一杯な状態になります。

何としてもクリエイティヴを無くす、または、下げる必要があります。
その方法は、いくつもあります。「事業を絞る(サービスを減らす)」、「相手合わせの商品を辞める」、「自社でやることを減らす」、そして、「ボリュームを大きくする」。

ボリュームを大きくすることにより、一つの案件に、複数人を付けることができます。また、工期は長くなり、準備や検討をしっかりすることができます。工事業、設備業、システム業、販促業、多くの業種では、ボリュームが小さいほど、難易度は上がる傾向があります。その場のスピードのある適切な判断が必要になります。それは、ベテランしかできないことなのです。

これら事業の変革を行ってから、「仕組化」に進むことになります。
提案書を整備する、マニュアルを整備する、管理表を整備する、など。

その一連の業務の仕組化が出来ると、いよいよ「スタッフを載せて」、仕上げに取り掛かります。そのスタッフには、訓練を行い、その仕組みがしっかり回せるようにします。

この順番を絶対に守る必要があります。
事業を作り変え、それから仕組化を行い、人が出来るようにする。
事業 ⇒ 仕組み ⇒ 人、です。

この逆を行ってはいけません。
採用に力を入れる、教育に力を入れる。事業の変革も仕組化もせずに、これらに取り組んでも、それだけの成果はありません。状況は変わらず、多くの業務を採用したばかりの人に移管することができません。そして、当然、社内の誰にも、それらの業務を体系立って教えることもできません。

多くの中小企業が、この原則とは逆の流れを行っています。
人 ⇒ 仕組み ⇒ 事業。これは、大きな遠回りとなります。

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クリエイティヴが残ると、人材要件が狭くなります。
その分、採用も難しくなります。そして、採用できたとしても、成果を出すまでに多くの時間が必要になります。

その一人が、一人前の稼ぎを出すのに時間がかかりすぎることになります。そのまま、生産性の低下に繋がります。そして、社員の入れ替わりが激しいと、稼ぎの少ない人の割合を高めることになります。
クリエイティヴを下げることで、活用できる人材の要件は広がり、また、短期間で戦力化(稼ぐ)出来るようになります。

どうしてもクリエイティヴを残さざるを得ない、また、そのひとつのボリュームも大きくするのが難しいという場合もあります。
その時には、別に「量産の事業」を持つことを考えます。
クリエイティヴは必要なく、やることをやれば生産ができ、そこそこ売上げを得ることができる、というものです。
例えば、製造業では量産製品。商社においては、カタログ商品の販売やルート営業、ネット通販や店舗売り。コンサルタントや士業であれば、事務代行作業や申請業務。設備業であれば、メンテナンスや修理業務。

これらは、大きく儲けることはできないかもしれません。その事業により、固定費さえまかなえれば十分です。また、それにより顧客との関係を維持し、他の仕事に繋げることもできます。

この事業を持つことにより、人を採用し育てるステップを得ることができます。
採用された人は、まずは、その単調な事業に配属されます。その業務に従事することにより、まずは「社会」に慣れることができます。
製造業であれば、品質や安全、製造業のサイクルを肌で習得できます。商社であれば、基本の商流や業務の基本、商品特性が理解できます。何よりも、一人の人間が社会人としての基本を身に付けるための時間を、確保することができます。

人間を採用し、まずは「人」として育てるための時間と場所を得るために、量産的な事業を持つ。この考え方も必要になります。
または、社内にある外注化できる業務を、あえて内製化しておくという選択をします。倉庫業務、梱包発送、コールセンター、入力業務など。
このような事業を全く持たないと、これからも数多くの人に自社で活躍してもらうことができなくなります。


冒頭のH社では、新卒3名を採用し、10か月で全員が退職するという事態になりました。
その一番の要因は、「事業がクリエイティヴすぎた」ところにあります。
そのため、その採用された社員に、すぐにやらせられる仕事がありません。

各新入社員に対し、先輩社員をトレーナー(教育担当者)に任命しました。そして、その先輩社員には「まずは、補佐的な作業から」と依頼しました。

その結果、次のような状態になりました。

  • やらなくてもよい作業をやらせる。(本来やらなくてよい業務を作り出す)
  • 細かく指示を出す。一つ作業が終わると、次の指示を出す。
  • 先輩は外回りに行き、その間新人はひとり机に座り、専門書を読んでいる。
  • その3名に、チラシの企画作りを依頼する。それはまるで「研修会」のようです。

このような状態が続けば、仕事が面白くありません。
仕事は、誰かにコマゴマと指示されてやっている状態では楽しくありません。ある程度自分で判断し、こなせるようになって初めて楽しくなってきます。
また、自分自身が会社に役立っていないことも解っています。そのため、居心地が悪い、いつまでもお客さんという状態です。

新人を訓練する(新人の訓練プログラムを組む)時のポイントは、大きく2つあります。

  1. 自己完結できる業務を(業務の塊で)与えること。
  2. 最初に従事する業務(ポジション)を決めること。

これにより、新人スタッフは、早くに自己完結できる業務と社内での自分の居所を得ることができます。落ち着いて「社会」に慣れる時間を得ることができます。
また、それにより先輩社員は、後輩の面倒から解放される時間を得ることができます。

先輩社員も忙しいのです。また、まだまだ先輩自身も半人前です。業務を説明するマニュアルもありません。そして、過去に人に教えた経験もありません。
人に何かを教えるのは、難しいことなのです。この認識が必要です。
先輩社員は、自分の業務の忙しさや解らなさから、それを態度に表します。
面倒くさそうに教えたり、強い口調になったり。その先輩社員も未熟なのです。トレーナーとしてどういう態度をしたら良いのか、解っていないのです。
その結果、その新入社員は、数か月で会社を去ることになります。

入社後3か月以内の退職は、教える側の態度に原因であることが予測されます。正確にその原因を表現すれば、「教える側に、何も教えていないこと」となります。
半年から1年の退職の原因は、自己完結する業務がないために仕事がつまらないこと、自分の居場所がないことにあります。(仕事がきついことが原因ではない)

そして、入社3年前後の退職、すなわち、仕事を覚えた頃の退職は、その会社の未来に対し、希望が持てなくなったときに起きます。「このままこの会社に居ても、明るい自分の未来はない」と新天地を求めて去っていくのです。

事業 ⇒ 仕組み ⇒ 人
すべては繋がっています。
これらを別々に考えてはいけません。すべてを繋げて考え、すべてを繋げて構築するのです。

 


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年商10億円への経営視点
矢田祐二

年商10億事業構築コンサルティング

株式会社ワイズサービス・コンサルティング代表取締役

矢田祐二

執筆者のWebサイトはこちら http://www.yssc.jp/

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