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SPECIAL

商品リニューアルコンサルタント

株式会社りぼんコンサルティング

代表取締役 

商品リニューアルに特化した専門コンサルタント。「商品リニューアルこそ、中小企業にとって真の経営戦略である」という信念のもと、商品の「蘇らせ」「再活性化」「新展開」…など、事業戦略にまで高める独自の手法に、多くの経営者から注目を集める第一人者。常にマーケティング目線によって描きだされるリニューアル戦略は、ユニークかつ唯一無二の価値を提供することで定評。1969 年生まれ、日本大学芸術学部文芸学科卒。

祝賀イベントを含んだ大型連休が終わりました。とはいえ「市場」は動いており、わたくしも面談希望のご連絡をいただき打合せの後にはなじみの飲食店にお邪魔しました。東京駅界隈の店は異常に混雑しておりました。一方、観光地以外の地ではいつもより地域全体が閑散としているのか客数減。「10連休で人がいないから・・・」という店主の大きなため息、ボヤきを幾度となく耳にしました。

祝賀イベントという特異性はあれど、だれもが生活者として素直に感じることは、世の中には立地が良くてもガラガラのお店があります。そしてその逆に、どんなに立地が悪くても「わざわざ並んで買う」「そこへ行って食べる」という店があります。

店主の中には「出店の際に市場調査をしてもらった結果、この立地は最高だったんです!」とデータによる裏付けを強調される方もいらっしゃいます。しかし客数が減っている事実を前にすれば、そのデータは「過去」の数字と律するべきです。そこから何日、何年が過ぎたでしょうか、マーケットは日々変転しています。いついかなる時も羅針盤として意識するべきことは「お客様のからの無言のアクション」です。客数減の根っこを発見できるかできないかが生命線です。

暮らしまわりにおいて手に入れることができる商品やサービスは、ますます質が高くなっています。飲食店であれば「美味しいのが当たり前」の状況です。提供の仕方、サービスの工夫、アイデア、クオリティが非常に高くなっています。

そして案外忘れがちなのが主婦あるいは主夫がつくる家庭料理です。調理家電や食材の進化によって「時短」を叶えながら、それなりに美味しく素敵な料理をつくることができるようになっています。例えば「サンキュ!」や「Mart」「オレンジページ」などの女性のライフスタイルマガジンを読めばその進化には驚かされます。料理だけではなく家事全般に共通して言えることです。

さらにデリバリーが進化することで、飲食店にわざわざゆかなくても、ネットを介してパーティー食材やアイテムを簡単に調えることができます。非日常体験といっても、わざわざキャンプ場にゆかなくてもベランダ用のBBQキットが揃いますし、おしゃれなハンモッグや可愛い小型テントなどもネットで販売されていますので、インドアキャンプ(お家キャンプ)ができます。出かけなくても楽しめる魔法のツールがたくさんあるのです。

一方、この10連休は改元による“祝賀イベント”が活況で、約10万人以上が皇居に集まってお祝いイベントを楽しんでいました。外出しないでお家タイムを充実させる人もいれば、混雑がわかっていても「お祝いをしたい」「観たい、会いたい」という理由で出かけてゆく人もいました。わたしたちの行動は、大きな矛盾、相反を抱えています。

そして、こんないい加減な人間たちの集まるところに「市」が生まれ、マーケットとなりました。マーケットとは売り手と買い手が出会う場。Marketを現在進行形にしてMarketing=マーケティングとなります。客数減、売上利益減に対して嫌な汗が出た時に、「マーケティングが弱い」または「商品に魅力がない、商品力がない」という気づき方をする経営者はほとんどいらっしゃいません。大抵の場合が「外部環境のせい」です。グローバル経済、人口減、少子高齢化、首都圏への集中などがよくある理由となります。マス媒体だけでなくネット社会においても、グローバル経済や日本経済の見通しについてどうのこうのという情報がたくさんあります。見聞し不安になったり安心したり一喜一憂する社長もおられますが、こういったことは大手企業経営者、エクゼクティブの管轄です。

中小企業においては「むしろマーケットは無尽蔵」と考えて、世界経済予測といった抽象的なことよりも、いかにお客様を増やすか、商品サービスを新しいお客様に買っていただくか使っていただくか、どうやって来月の売上をあげて、従業員の心をギュッとつかんでゆくの具体策に注力することが大事です。経済予測を勉強すること以上に、「これは危険な兆候かも」とか「ヤバそうだな」といった動物的な直感を日頃から磨いてゆくことが大事です。

商品リニューアルにおいて、パッケージデザインや商品ラベル、ネーミングをリニューアルすることで今までパッとしなかった商品がヒットするようになることがあります。そうしたヒットは一見華々しいですが、実はヒットするだけの「土台」ができていたと見るべきです。

ヒットや利益といった目に見える部分を支えているのは、その下に秘められた「目に見えない部分」の支えがあってこそです。それは一社一社異なりますので、その工程に合わせた進め方が必要になります。そうした全体像を見ることができる人は少なく、部分的な対処療法になってしまうので、なかなか成果が出ないという状況を招いてしまうのです。これは非常にもったいないことです。

こうしたもったいない状況を生んでしまうのは、コンテンツ提供者にも一因があります。売上増対策のコンテンツでは「全体像」を定義することなく「部分的戦略」をパッケージにして「これだけやれば売上があがる」といった言い方をしているケースが多いものです。その方が「打出の小槌」的ニュアンスが伝わってわかりやすいからです。

今までにそうしたコンテンツに時間やお金をかけながら「成果」が出なかったと嘆いているのであれば、それは誰のせいでもなくご自身の考え方に「問題有り」だったと考えてください。「はやく」「ラクに」儲ける手法を求めてしまった「他力依存思考」こそがビジネスを停滞させる根本原因ではないか。

家庭の営みと同じように、企業経営にも段階がありひとつひとつが有機的につながっています。「神」の視点で細部を見、細部をリニューアルしてゆく意識が求められています。経営に打出の小槌や飛び道具はありません。

商品リニューアルには目に見える部分と目に見えない部分の「循環」があります。まず理念や目的、夢やビジョンが根底があります。その上に市場戦略があり、商品まわりの「売買活動」があります。目に見えるものは、目に見えないものに支えられています。その全体性を意識することが商品リニューアルの第一歩であり、ビジネスが成長するための循環となります。

弊社では「商品リニューアルの成功循環」として下図のように定義して、ビジネスの状況に合わせた独自プログラムをお作りし、半永久的に使い続けることができる商品リニューアルの仕組みを定着できるようにお教えしています。見えない部分をどれだけ見、事業をお導きできるかがわたくしたちコンサルタントの腕の見せ所となっております。

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