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賞与支給時の大切な社長の一言

SPECIAL

人事制度コンサルタント

株式会社ENTOENTO

代表取締役 

会社を成長させる人事制度づくりで、700社以上の指導実績を誇る日本屈指のコンサルタント。日本の過去50年間の人事制度のつくり方とは異なり、経営者の評価と賃金の決め方を可視化してつくる画期的な人事制度は経営者から大きな支持を得ている。

賞与の支給はほとんどの会社で終ったことでしょう。

その賞与を支給するときに、どのようなことを社員に伝えたでしょうか。 

経営者の中には間違った一言を添えている経営者がいます。

それは次の言葉です。

「賞与は頑張った社員に対して、頑張った分だけたくさん出します。皆さん頑張ってください!」 

これは完全にアウトです。

社員の賞与は社員の成長によって金額が異なります。

それ以上に業績によっての違いが大きいことはすでに説明しました。 

例えば成長点数が90点のS社員と、80点のA社員、60点のB社員、40点のC社員、20点のD社員。

様々な成長の社員がいます。いわゆる組織原則2:6:2ですね。

この原則はすべての会社に共通することです。 

この成長点数が違うことによって、賞与が違うのは当然です。 

しかしこの成長点数は、頑張って1年で90点になったのではありません。

20点で入った社員が、昇格年数を10年かけて少しずつ点数を重ねていき、やっと10年目で90点取れたのです。

「頑張った」から90点という表現は、全くこの実態に合っていない表現の仕方といえるでしょう。

何故なら、頑張った社員だけが90点取れると誤解されるからです。 

この事実を社員に示すことによって、経営者は先ほどの発言以外の発言をしなければなりません。

それは、次の通りです。 

「この会社では社員は20点で入社してきます。

入社したときの成長点数は全員20点です。その点数が10年かけて80点以上になります。

一朝一夕で80点になることはありません。じっくりと成長していってください。 

その成長点数の伸びによって、賞与はだんだん増えていくことになるでしょう。 

もちろん、社員の成長のスピードには違いがあります。

その場合も、すべてその時の成長点数によって賞与は支給されることになります。

決して他の社員と比較して賞与を決めるわけではありません。 

ですから、賞与明細書を誰かと見せ合うことは、意味がありません。

賞与が多いのは、成長点数が高いからです。 

最も成長点数の高い社員は、他の社員に成長シートに書いてある成長要素を教えた社員です。

それが私たちにとっては最高の成長、最も高い賞与が支給される社員です。 

皆さんも、そこに向かってじっくりと階段を上るように成長してください。

他の社員と賞与を見せ合って一喜一憂するのは意味がありません。 

なぜなら、私はすべての社員の賞与をたくさん出してあげたいと考えています。

そのためには、あなたの成長だけではなく社員全員の成長、それによって会社全体の業績が良くなること。

これが最も賞与をたくさんもらえる方法であることを、改めて皆さんに知ってもらいたいと思います」 

このように説明できる会社になってもらいたいと思います。 

賞与の金額に差をつけてモチベーションを上げることは組織風土を壊します。

やってはいけないことであることを、改めて皆さんにお伝えします。

 

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