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親子経営 繁盛と繁栄の秘策 子供がすべき7つのこと④

SPECIAL

親子経営コンサルタント

ビジネス・イノベーション・サービス株式会社

代表取締役 

オーナー社長と後継者のための、「親子経営」を指導するコンサルタント。みずから100億円企業を築くも、同族企業ならではの難しさや舵取りの大変さで苦しんだ実体験を指導。親から子へ失敗しない経営継承の極意として「親子経営」を伝授する。

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身内、古参社員との対峙

身内、古参社員との人間関係が後継者のストレスの原因であることが多くあります。彼らの多くがいわゆる抵抗勢力であることがしばしばあるからです。彼らと後継者がどう向き合うのかが問われるところです。

どちらも以前、父親がすべき7つのことのなかで触れましたが、身内社員には身内故の「甘え」が生じやすく、古参社員には長年の慣れにより唯我独尊とも言える一人勝手な「うぬぼれ」が生じています。

望ましいことは父親の引退に合わせ彼らの処遇を考え実行しておくことですが、現実にはその多くが後継者の時代まで残っています。彼らの処遇に後継者が頭を悩ますことになります。

ここで重要なことは、決して彼らから逃げることなく正面からひとりひとりと向き合うということです。彼らの話に耳を傾け、とにかくよく聴いてみることです。そして決して安易な妥協をすることなく彼らの処遇を決定、決断、実行することです。

さて、中国儒教の経典として長年日本でも長く読まれていた四書のうち「大学」から一節、「賢を見るも挙ぐる能わず、挙ぐるも先にする能わざるは、慢るなり。不善を見るも退くる能わず、退くるも遠ざくる能わざるは、過ちなり。」

優秀な人物なのにそれを認めながらも重要な地位、役職を与えることなく、またよしんば雇い入れたとしても重く処遇することがなければ、それは使う側の怠慢である。人物的に良くないと認めながらも辞めさすことが出来ず、辞めさせたとしてもその関係を断ち遠ざけることが出来ずにいるのは、使う側の過失である。というようなことでしょうか。

中小企業ではよくあることですが、身内社員や古参社員がただ身内だということ、ただ社長とともに長年やってきたということだけで、人望や能力が無いにも拘わらず役職についている例が多くあります。

逆に言うと、誰が見てもとても優秀な社員であるにも拘わらず、いつまでたってもその相応しいポジションにつけてもらえない社員が多くいるということです。後継者の役割のひとつがこの不公平な人事を正すことになります。

もうひとつ論語から一節、「子の曰く、直きを挙げて諸れをまがれるにおけば、能くまがれる者をして直からしめん。」とあります。その地位に相応しい人物をその職につけたなら、下の者は彼の影響を受けて正しく誠実になる。とでも言うことでしょうか。

これもまた逆に言うなら、その地位に相応しからざる者がつけば下の者たちが彼の影響を受け怠惰に慣れてしまうとでも言えましょうか。これも現実にいろんな組織のなかで起きていることでしょう。

いずれにしても各部署長の人選を間違うと大変なことになります。リーダーによってその部署が大きく変わります。社員を活かすも腐らせるも部署長次第なのは言うまでもありません。

その部署長のポジションに往々にして身内や古参社員がついていることが多いのがオーナー企業での現状です。オーナー経営者が自分の身内を重用しベテラン社員を優遇してきた結果のことでしょう。

後継者は自分の目で見、自分の体で感じたうえでこれらの人事に手を付けていかねばなりません。身内社員、古参社員の処遇を考えること、後継者が避けては通れないひとつの関門です。

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